2024.05.20
こんにちは、ファイブスプリングスです。
Yahoo!ショッピングでは食品や日用品などリピート購入される傾向が高い商品の取り扱いが多く、2023年6月26日から定期購入サービスが提供が開始されています。
ECにおいて定期購入はお客様にとって便利なだけでなく、ストア側にも売上の安定化をはじめとした様々な恩恵をもたらす重要なサービスです。
そこで今回はYahoo!ショッピングの定期購入について、導入するメリットから具体的な設定方法、効果的に活用するポイントまで解説します。
定期購入に関する注意点などもあわせて詳しく解説するため、Yahoo!ショッピングで定期購入を導入したい方はぜひ最後までご覧ください。
【本記事でわかること】
◎定期購入のストア側のメリット
◎Yahoo!ショッピングで定期購入を設定する方法
◎定期購入を申し込んでもらう・継続利用してもらうためのポイント
目次
Yahoo!ショッピングの定期購入とは
Yahoo!ショッピングの定期購入は、お客様が指定した頻度に合わせて定期的に商品をお届けするサービスです。
定期購入商品は検索での絞り込み対象となっているほかバッジも付与されるなど、検索結果画面でわかりやすく表示されるようになっています。
また定期購入サービスでは同一商品の定期的なお届けのほか、定期的に異なる商品をお届けするといった設定も可能です。
「定期購入限定でのポイント設定」や「定期購入に関する分析レポートの確認」なども可能なため、戦略的に定期購入を運用できるサービスとなっています。
Yahoo!ショッピングで定期購入を設定するメリット
お客様の利便性向上のために導入された定期購入サービスですが、ストアにとっても以下のような大きなメリットがあります。
【Yahoo!ショッピングで定期購入を設定するメリット】 |
〉リピーターの獲得・売上の安定化につながる |
リピーターの獲得・売上の安定化につながる
定期購入は言い換えれば継続的にリピート購入をしてもらうサービスのため、リピーターの獲得と長期的な売上の確保が期待できます。
一度商品が購入されれば2回目以降は自動で購入されるため、お客様の買い忘れや他ストアへの流出によって生じる機会損失を防止することが可能です。
またリピーター化によって自ストアに興味を持ってもらえれば、定期購入対象の商品だけでなく他の商品の購入へとつながる可能性もあるでしょう。
売上予測や在庫・出荷管理がしやすい
定期購入では長期的な売上の確保が期待できるため、売上予測や在庫・出荷管理がしやすい点も大きなメリットです。
どの商品がいつどれだけ売れるかの予測が長期的に立てやすく、それにより在庫や出荷の準備も事前に余裕を持っておこなうことができます。
一部手数料が無料になりコストカットにつながる
Yahoo!ショッピングの定期購入では、お届け2回目以降の販売に対して販売の際に通常必要な以下の手数料が無料になります。
【定期購入で無料になる手数料】 (お届け2回目以降の販売が対象) |
・プロモーションパッケージ手数料
・PRオプション料率 ・定期購入利用手数料 |
※定期購入利用手数料の無料化については早期特典のため期間限定 |
これらの手数料無料化は初回注文には適用されませんが、最低でも通常必要な「販売価格 × 5%」分のコストをカットすることができます。
【「プロモーションパッケージ」と「PRオプション」とは?】
「プロモーションパッケージ」と「PRオプション」は、いずれも手数料を支払うことで商品を効果的にPRできるサービスのことです。
それぞれのサービス内容や利用方法については以下の記事で詳しく解説しているため、ぜひあわせてご覧ください。
定期購入の設定方法
Yahoo!ショッピングで定期購入を設定するためには、大きく分けて以下2つのステップが必要です。
【定期購入の設定方法】 |
〉【STEP1】定期購入グループを設定する
〉【STEP2】定期購入商品を紐づける |
【STEP1】定期購入グループを設定する
まずは定期購入グループを作成して、配送周期のパターンを設定します。
1.ストアクリエイターProから「定期購入サービス設定」ページにアクセスします。
2.「定期購入グループ名」欄の「編集」ボタンをクリックします。
(定期購入グループは、最大20件まで登録可能です。一度作成すると編集は可能ですが削除はできません。)
3.定期購入グループの編集画面が表示されるため、以下を参考に各項目を入力または選択して「設定」ボタンをクリックします。
【定期購入グループ名】
管理用の名称を20文字以内で入力します。
お客様には表示されないため、覚えやすい名称を入力しましょう。
【配送周期(日単位)】
「30日ごとに配送する」など、日単位でお届け頻度を選択できるようにしたい場合は「設定する」にチェックを入れます。
お客様に提示できる選択肢は、10日~90日の範囲で「期間」または「個別」で指定できます。
・「10,15」で個別指定した場合→10日、15日が選択可能
【配送周期(月単位)】
「1ヵ月ごとに配送する」など、月単位でお届け頻度を選択できるようにしたい場合は「設定する」にチェックを入れます。
お客様に提示できる選択肢は、1~6カ月の範囲で「期間」または「個別」で指定できます。
・「1,6」で個別指定した場合→1カ月、15日が選択可能
! | 配送周期でどちらも「設定しない」を選択すると、定期購入商品として表示されないため注意しましょう。 |
【STEP2】定期購入商品を紐づける
次に作成した定期購入グループを、定期購入の対象にしたい商品に紐づけます。
1.ストアクリエイターProから、定期購入の対象にしたい商品の「商品ページ編集」画面にアクセスします。
2.「基本情報」ページ内にある「定期購入」の各項目を、以下を参考に入力または選択します。
【定期購入設定】
提供したい販売形態に合わせて、「通常購入/定期購入」または「定期購入のみ」にチェックを入れます。
【定期購入価格(税込)】
「通常購入/定期購入」にチェックを入れた場合は通常価格よりも低い価格を、「定期購入のみ」にチェックを入れた場合は通常価格と同じ価格を入力します。
【定期購入グループ管理番号】
STEP1で作成した定期購入グループの管理番号を選択します。
【おすすめサイクル】
お客様に「おすすめするお届け頻度」を表示したい場合、「日数から選択」または「月数から選択」にチェックを入れて日数または月数を選択します。
表示しない場合は「設定なし」にチェックを入れます。
【定期購入ポイント倍率】
+0~15倍の範囲で、定期購入限定で加算するポイント倍率を設定します。
定期購入を活用するためのポイント
ストアにとってもメリットが多い定期購入ですが、ただ導入するだけではなかなか高い効果は得られません。
ここでは定期購入を効果的に活用するためのポイントとして、以下3つをご紹介します。
【定期購入を活用するためのポイント】 |
〉リピート率の高い商品を定期購入商品にする |
リピート率の高い商品を定期購入商品にする
定期購入商品を提供する際は、実際にリピート率が高い商品を対象商品に設定することをオススメします。
すでによくリピート購入されている商品であれば、定期購入が利用される可能性が高いためです。
商品ごとのリピート率は、「プレミアム統計」の「商品別新規・既存レポート」から確認できます。
レポートを開いたら「既存注文者数」の上で右クリックし、「すべての値を並べ替え」で既存注文者(=リピーター)が多い商品順に並べ替えましょう。
※プレミアム統計の利用には、「プロモーションパッケージ」への加入が必要です。
プレミアム統計の詳しい利用方法については、以下の記事をご確認ください。
定期購入分析レポートで効果測定する
事前に利用される可能性が高い商品に定期購入を設定することも大事ですが、定期購入の設定後に実際どれだけの効果があったのか確認することも重要です。
定期購入の効果測定は、定期購入分析レポートからおこなえます。
定期購入分析レポートでは期間や商品、カテゴリを指定して、定期購入経由での売上や平均客単価、全体の売上に対する割合などが確認できます。
分析結果はCSVファイルでもダウンロードできるため、商品や配送周期パターンなど様々な角度からどのように設定すればよく売れるのかを検討しましょう。
定期購入するインセンティブを用意する
長期的な売上の確保が期待できる定期購入ですが、利用してもらうためには通常購入よりも定期購入を選ぶメリットをお客様に提示する必要があります。
定期購入へとつなげられるインセンティブの例としては、主に以下の2つがあげられます。
【定期購入へとつなげられるインセンティブの例】 |
・初回限定クーポン 「送料無料」や「20%OFF」など、定期購入の新規申し込みで使える初回限定のクーポンを付与します。 やや大きめの値引き率で提供できると、初回購入のハードルを下げることができます。・定期購入限定ポイント設定 通常付与されるポイントとは別に、定期購入限定で+0~15倍のポイントを付与します。 ポイントについては2回目以降も付与されるため、コストはかかるものの継続利用を促すことができます。 |
インセンティブについてはコストがかかるため予算との兼ね合いにはなりますが、継続的に売上が確保できる可能性も考慮しつつ提供できるラインを検討しましょう。
Yahoo!ショッピングでのクーポン発行方法については、以下の記事で解説しています。
パターン別でのクーポンの発行方法からクーポン施策におけるコツまで詳しく解説しているため、ぜひあわせてご確認ください。
定期購入を利用する際の注意点
最後に定期購入を利用する際の注意点として、以下の3つを解説します。
【定期購入を利用する際の注意点】 |
〉1%の「定期購入利用手数料」が請求される |
1%の「定期購入利用手数料」が請求される
2回目以降の定期購入には、「定期購入利用手数料」として「販売価格 × 1%」の販売コストがかかる点には注意が必要です。
「一部手数料が無料になりコストカットにつながる」でお話したように現在は無料となっていますが、あくまでも早期特典としての無料でありいずれは必要となるコストとして捉えておきましょう。
もともとは2023年12月末までの特典として用意されていましたが、2024年春頃までに延長され、さらに再度延長されて今(2024年5月現在)に至ります。
すでに2度の延長を経ているため、そう遠くないうちに有料化すると考えておいてもよいでしょう。
2回目以降はキャンセルされる可能性がある
長期的な売上確保が期待できる定期購入ですが、2回目以降の注文についてはお客様が自由にキャンセルできる仕組みとなっています。
「定期購入するインセンティブを用意する」重要性について先ほどお話しましたが、初回購入時のインセンティブを大きくし過ぎると初回だけ購入されてしまう可能性もあるため注意が必要です。
定期購入分析レポートで効果測定しながら、どのようなインセンティブであれば利益率を確保しつつ継続的に定期購入を利用してもらえるのかを検討しましょう。
一部商品は定期購入設定ができない
Yahoo!ショッピングでは、すべての商品に定期購入設定ができるわけではありません。
以下の商品は定期購入の対象にできないため注意が必要です。
【定期購入設定ができない商品】 |
× 予約商品
× ウェルカムギフト(無料提供商品) × オプション(自由入力)を設定している商品 |
Yahoo!ショッピングの定期購入:まとめ
今回はYahoo!ショッピングの定期購入について、導入するメリットから具体的な設定方法、効果的に活用するポイントや設定時の注意点まで解説しました。
長期的な売上の確保や在庫・出荷の効率化など多くのメリットがある定期購入ですが、利益を確保しながら継続的に効果を上げるためには効果測定をもとに対象商品の選別やインセンティブの用意などをおこなっていく必要があります。
ファイブスプリングスでは販促戦略に関するアドバイスをはじめ、分析~戦略立案~実行まで一貫してサポートするコンサルティングサービスをご提供しています。
「Yahoo!ショッピングでの定期購入設定を手伝ってほしい」「継続的に定期購入してもらうためのアドバイスが欲しい」という方は、ぜひ一度お問い合わせページからお気軽にご相談ください。
太田 薫(おおた かおる)
株式会社ファイブスプリングス 代表取締役
元楽天ECコンサルタント、その後楽天MVP獲得店舗の統括部長。 ■無料相談■ |