2023.05.08
こんにちは、ファイブスプリングスです。
楽天市場のSKUプロジェクトが、2023年4月から順次開始されています。
SKU単位での商品管理によってついに楽天市場でもバリエーションなどで価格の異なる商品を同一ページで取り扱えるようになりますが、SKU移行に伴ってシステム上のさまざまな変更や店舗側でおこなわなければならない対応が発生します。
そこで今回は楽天のSKUプロジェクトについて、プロジェクトの概要やメリットをはじめ変更点や店舗側が必要な対応までわかりやすく解説します。
SKU対応の注意点やよくある質問についても解説するため、SKUプロジェクトに余裕を持って対応したい方はぜひ最後までご覧ください。
【本記事でわかること】
◎楽天SKUプロジェクトで何が変わるのか
◎SKU対応するために何が必要なのか
◎SKU対応では何に注意すべきか
目次
楽天SKUプロジェクトとは
楽天のSKUプロジェクトとは、簡単にいうとカラーやサイズなどバリエーションごとに価格が異なる商品を1つの商品ページにまとめられるようにするプロジェクトのことです。
例えばベッドのマットレスを販売している場合、これまでは「シングル・セミダブル・ダブル」などサイズによって値段が異なる場合は別の商品ページで販売する必要がありました。
しかしSKUプロジェクトでは、1つの販売ページ内で「シングル:10,000円」「セミダブル:13,000円」「ダブル:15,000円」など選択式で価格の異なる商品を販売できるようになります。
ただしこれらを実現するためには新たに「SKU」という単位での商品管理が必要になるため、店舗側で各商品をSKU対応させるためのさまざまな準備が必要です。
ここではSKUプロジェクト自体についての理解を深めるため、まずは以下2つのポイントを解説します。
そもそもSKUとは
SKUとはStock Keeping Unitの略で、受発注や在庫管理に用いられる「商品の最小の管理単位」のことです。
例えばサイズやカラーのバリエーションがあるTシャツを販売している場合、「Sのホワイト」「Lのブラック」などがSKUとなります。
以下の表が示すように、商品バリエーションの各組み合わせがSKUと考えて良いでしょう。
▼「サイズ:S、M、L」「カラー:ホワイト、ブラック」のTシャツを販売している場合
カラー | サイズ | SKU数 |
ホワイト | S | 1SKU |
M | 1SKU | |
L | 1SKU | |
ブラック | S | 1SKU |
M | 1SKU | |
L | 1SKU | |
合計 | 6SKU |
従来の楽天市場では価格の異なるSKUは別々の商品ページで販売する必要があったため、商品を比べるために商品ページを行き来する必要があり離脱を招く可能性がありました。
これからは価格の異なるSKUも1つの商品のバリエーションを示すものであれば同一の商品ページで販売できるようになるため、ユーザーにとっても商品を見つけやすく、店舗にとっても商品を管理しやすい楽天市場となることが期待されています。
SKUプロジェクトの移行スケジュール
SKUプロジェクトは、全店舗を対象として2023年4月から順次移行が開始となっています。
ただし移行に際して店舗運営システムの改修など準備を要する場合を考慮して、実際の移行時期・移行日は店舗ごとに異なります。
具体的な移行時期についてはRMSのお知らせ配信で送付されているため、見落としている場合などは必ず確認しましょう。
「【SKUプロジェクト】移行予定時期の決定のご案内(2023年〇-〇月)」などの件名で送付されているため、「SKUプロジェクト」などのキーワードで検索すると確認できます。
RMSトップ>店舗様向け情報・サービス>店舗様向け情報(お知らせ・ご依頼)
また具体的な移行日についても、「【SKUプロジェクト】移行予定日確認のお願い」という件名で移行予定日の約2か月前までに送付される予定です。
なお商品管理に使用しているシステムやツールの改修が必要などの理由により通知された移行日での対応が難しい場合は、通知内に掲載された変更申請リンクから移行日の変更を申請することができます。
(システム・ツールの改修については、後ほど「CSV/APIがSKU対応版にアップデートされる」や「システム・ツールをアップデートする」でくわしく解説します。)
移行日の枠に限りがあるため注意! |
各移行日には対応可能な店舗数に限りがあります。希望通りに変更できるとは限らないため注意しましょう。 |
楽天SKUで変更される3つのポイント
これまで「SKUプロジェクトで商品ページをまとめられるようになる」とお話してきましたが、SKUプロジェクトによって変わることはそれだけではありません。
店舗運営者が押さえておくべき大きな変更点としては、以下の3つがあげられます。
商品を1つのページにまとめられる
まずはこれまでもお話してきた「複数のSKUを1つの商品ページにまとめられる」点について、もう少しくわしくお話します。
SKU単位での商品管理では、まず価格が異なる商品を1ページで販売できるようになります。
例えば飲料であれば「12本入り/24本入り」、ベッドであれば「シングル/ダブル」など、本数やサイズに応じた価格を同一の商品ページに掲載することが可能です。
これによりユーザーは価格を比較するために別の商品ページへ移動する必要がなくなり、店舗としても離脱を防止できます。
また1つの商品ページに対して、最大6軸のバリエーション項目が設定可能となっています。(最大で40選択肢、400SKUまで設定可能。)
例えばマットレスであれば、従来の項目選択肢では「サイズ × カラー」など2軸までしか設定できませんでしたが、これからは「サイズ × カラー × 硬さ × 厚み」など最大6軸の項目を設定できます。
これによりユーザーは1つの商品ページ内で多くの選択肢の中からお気に入りの商品を選択できるようになり、店舗としても1ページ内での豊富なラインナップの表現が可能です。
楽天サーチの結果がSKU単位で表示される
SKU単位での商品登録情報は、楽天サーチの検索結果上にも反映されます。
SKU単位でのデータ管理により、検索結果上で「その商品にどのようなバリエーションがどれだけあるか」が表示されます。
例えばTシャツであれば、「サイズ:S、M、L」「カラー:ホワイト、ブラック」という情報が一目でわかるようにラベルが表示されます。
これによりユーザーは検索結果上でバリエーションを確認することができ、店舗としてもバリエーションの豊富さをアピールすることで他店舗との差別化を図ることが可能です。
またユーザーがバリエーションを指定して検索した場合、検索内容に合った商品画像が表示されます。
例えば「Tシャツ ブラック」と検索した場合、「カラー:ホワイト、ブラック」のバリエーションがある商品であれば「ブラック」の商品画像が検索結果上に表示されます。
これによりユーザーは検索結果上で商品を比較しやすくなり、店舗としてもサムネイルでバリエーションを表現するだけでなくバリエーションごとの画像を用意することが可能です。
(SKUごとに画像を表示するためには、SKU画像を設定する必要があります。SKU画像については後ほど「SKU画像を準備・設定する」で詳しく解説します。)
さらにセット販売を前提としている商品について、1単位ごとの価格が検索結果上で表示されます。
例えば「12本入り/24本入り」の飲料を販売している場合、「1本あたり〇円」といった情報が検索結果上で表示されます。
これによりユーザーは同一商品の中で最もオトクな商品を検索結果上で比較しやすくなり、店舗としてもオトクさをアピールすることで他店舗との差別化を図ることが可能です。
CSV/APIがSKU対応版にアップデートされる
SKU移行で忘れてはいけない変更点が、CSVやAPIといった楽天提供のシステム・サービスがSKU対応版にアップデートされるということです。
SKU移行に際するCSV/APIの仕様変更点は多岐にわたりますが、まずは商品管理などのために現在使用しているCSVやAPIの変更点だけでも把握しておくことがポイントです。
例として多くの店舗で使用されていることが多いCSV/APIを一部紹介すると、以下のような変更点があげられます。
CSV/API名 | 変更点 |
商品一括編集 | CSVのファイル名とデータ形式が変更されます。 (item-cat.csvは変更なし)【変更前】 ・item.csv:商品の登録・更新・削除 ・select.csv:項目選択肢、項目選択肢別在庫の登録・更新・削除 ・item-cat.csv:カテゴリの登録・削除、商品との紐づけ・解除 【変更後】 |
受注データダウンロード | 「SKU管理番号」「システム連携用SKU番号」「SKU情報」の3項目が追加されます。 |
商品/在庫/カテゴリAPI | 商品情報をSKU単位で設定できる「API2.0」にバージョンアップされます。 |
楽天ペイ受注API | 受注管理に必要なSKU単位の情報を取得・更新するため、項目追加やバージョンアップが予定されています。 |
ジャンル・タグ検索API | SKU移行に際してタグIDの代わりとなる商品属性情報を取得できる「NavigationAPI2.0」にバージョンアップされます。 |
これらの変更が加わることで、今まで利用していたシステムが利用できなくなったり運用のフローを見直したりする必要が出てくる可能性があります。
店舗運営Naviの仕様変更一覧ページを確認して、現在運用中のシステムやフローに影響がないかどうか検討しましょう。
(店舗運営Naviの閲覧にはRMSへのログインが必要です。ログイン後に上記テキストリンクをクリックしてください。)
【やることリスト】移行に必要な5つの対応
ここからは、SKU移行に際して店舗側で準備すべきことを解説します。
具体的には、以下5つの対応に備えましょう。
【やることリスト:移行に必要な5つの対応】
システム・ツールをアップデートする
現在CSVやAPIを使用して商品管理などをおこなっている場合は、システムやツールをSKU対応版にアップデートする必要があります。
「CSV/APIがSKU対応版にアップデートされる」でもお話したように、CSVやAPIの仕様が変わることで商品管理に使用しているシステムやツールが今まで通り使えなくなってしまう可能性があるためです。
自社システム・ツールを利用している場合とベンダー製システム・ツールを利用している場合が考えられますが、まずは店舗運営Naviの仕様変更一覧ページを確認してシステム・ツールの改修が必要かどうかを判断しましょう。
(店舗運営Naviの閲覧にはRMSへのログインが必要です。ログイン後に上記テキストリンクをクリックしてください。)
分業している場合やわからない場合は、システム・ツール担当者やベンダーに問い合わせてアップデートの可否や時期について確認します。
商品ページの統合を検討・実行する
「商品を1つのページにまとめられる」ことがSKUプロジェクトの大きなポイントですが、そもそも「商品ページをまとめるべきかどうか」について一度検討することをおすすめします。
複数のSKUを1つの商品ページにまとめると、多様なバリエーションをアピールして離脱を回避しつつ、売上やレビューの分散も回避することが可能です。
ただしクーポンやポイントは商品ページ単位での設定となるため戦略的に分けることが難しくなるほか、スーパーSALEサーチの審査通過が難しくなる可能性も考えられます。
(スーパーSALEサーチについて、後ほど「スーパーSALEサーチの申請は全SKUが審査対象」でくわしく解説します。)
このように商品ページをまとめることはメリットばかりではないため、店舗ごと・商品ごとに戦略に応じて商品ページを統合すべきかどうかは異なります。
このためSKUに移行したら対象商品をすべてまとめてしまうのではなく、まず社内関係者と協議の上でまとめる商品とそうでない商品の振り分けをおこないましょう。
なお実際に複数のSKUを1つの商品ページにまとめる際は、RMSの商品登録から既存の商品ページにまとめたいSKUを登録します。
ランキング入賞やお気に入り登録に関してはレビューのように集約できず統合先となるページがベースとなるため、まとめたいページの中で最も売上やランキング、お気に入り登録の実績が良いページにSKUをまとめることが推奨されています。
SKU移行でまとめられる商品とは? |
SKUプロジェクトでは過剰な商品まとめによって逆に商品を探しにくくなる事態を避けるため、「まとめてよいSKUの組み合わせ」がガイドラインで明確に規定されています。 くわしくは、店舗運営Naviの「SKUのまとめ方に関するガイドライン」をご確認ください。 (店舗運営Naviの閲覧にはRMSへのログインが必要です。ログイン後に上記テキストリンクをクリックしてください。) |
商品レビューの移行を申請する
SKUを1つの商品ページにまとめた際に忘れずおこなっておきたいことが、各商品レビューを1つの商品ページに統合するための移行申請です。
商品ページをまとめると各商品が保持していたレビューも統合先の商品ページに集約できますが、無関係な商品同士のレビュー集約などを避けるために楽天運営による審査が必要となっています。
移行申請は既定の申請用エクセルファイルをRMS経由で提出することで可能ですが、一部レビューのみの移行やレビュー移行の取り消しはできないため注意が必要です。
クーポンやポイントの戦略のために一度まとめた商品ページを再度分けようと思っても商品レビューを戻すことはできなくなるため、商品ページの統合をテスト運用している場合などはレビュー移行についても少し様子を見たほうが良いでしょう。
商品属性を準備・入力する
これまでカラーやサイズといった商品の属性情報は「タグID」によって商品情報に登録していましたが、SKU移行後はタグIDに代わって「商品属性」として登録することになります。
7桁の数字で示されていたタグIDと異なり商品属性は「色:ブラック」などわかりやすく実際の値を入力できますが、これまで登録が任意だった属性も一部登録が必須になっている点には注意が必要です。
店舗の負担を軽減するためSKU移行日から6ヶ月間は商品属性を入力せずとも商品の登録・更新ができますが、6ヶ月を過ぎると必須商品属性を入力しなければ商品の登録・更新ができなくなります。
基本的には現時点で入力されているタグIDが商品属性に変換される予定ですが、あいまいな表記やSKUごとに設定されていない情報は新たに入力する必要があります。
しかしすべての商品のタグID見直しや商品属性登録をおこなうことはリソースから考えて難しいため、売上上位商品や注力商品を優先的に対応するなど段取りを決めて着実に取り組みましょう。
商品ごとの必須商品属性はどうやってわかる? |
商品ごとの必須商品属性は、店舗運営Naviの「[SKUプロジェクト] 商品属性情報の準備」ページからダウンロードできる「商品属性定義書」に記載されています。 商品属性定義書で背景色がオレンジ色になっているセルが、その商品ジャンルの必須商品属性の項目です。 例えば水の場合「シリーズ名」「ブランド名」「総入数」が登録必須の商品属性となっているため、「いろはす」「コカ・コーラ」「24本」などの情報を登録しなければなりません。 |
SKU画像を準備・設定する
SKU画像の設定は任意となっていますが、SKU画像を準備・設定することで検索結果上にSKUごとの商品画像を表示することができます。
「楽天サーチの結果がSKU単位で表示される」でもお話したように、ユーザーの検索意図・ニーズに合った形で商品を訴求することが可能です。
ただしここで注意しなければならないことは、SKU画像も商品画像登録ガイドラインの適応対象になるということです。
「テキスト要素20%以下」「枠線不使用」など、従来の商品画像と同じガイドラインのルールに従う必要があります。
SKU移行日から起算して180日間は違反点数加点猶予期間としてペナルティは発生しませんが、猶予期間経過後は違反点数制度の対象になるなどのペナルティが発生する可能性があるため注意しましょう。
またSKU画像はバリエーションの違いを見せることを主目的として作成することが多いため、訴求の文字などを入れないシンプルな画像となることが一般的です。
これにより検索結果上でほかの商品画像のサムネイルと比べて訴求力が弱くなってしまうというケースも考えられるため、戦略的な観点も考慮してSKU画像を設定するか検討しましょう。
実際にSKU画像を設定する際は、RMSの各商品登録ページから1SKUあたり1枚SKU画像を登録できます。
なおSKU移行前に「項目選択肢別在庫画像」を登録していた場合は、それらがSKU画像として移行されます。
商品画像登録ガイドラインとは? |
商品画像登録ガイドラインは、楽天のサムネイル画像を作る際に守らなければならないルールをまとめたものです。 ルールの内容やガイドライン適合可否をツールで確認する方法などについては、以下の記事をご確認ください。 |
楽天SKUプロジェクトで気を付けるべき注意点
SKUの変更点や対応のポイントについて押さえたところで、気を付けるべき点についても解説します。
SKU対応で見落としがちなポイントとして、以下3つに注意しましょう。
スーパーSALEサーチの申請は全SKUが審査対象
複数のSKUをまとめた商品をスーパーSALEサーチの商品にする場合、1商品の全SKUが合格条件を満たす必要があります。
スーパーSALEの際、「割引率が高い商品だと思ってクリックしたらセール対象は一部SKUのみだった」というギャップを生じさせないようにするためです。
スーパーSALEの商品は割引率が10%以上である必要がありますが、SKU移行後は申請商品の全SKUが10%以上の割引率である必要があります。
なおSALEアイコンについても全SKUが条件を満たしているものが表示されるため、例えば「3SKUが50%割引、1SKUが10%割引」の場合でも半額アイコンは表示されません。
またSKU移行に伴って販売実績が初期化されることで、販売実績不足により審査に通らなくなる可能性もあるため注意しましょう。
商品ページまとめの際に新規で追加したSKUやSKU管理番号を変更した場合については、販売実績が初期化されます。
商品一括編集にはSFTPソフトが必要
「CSV/APIがSKU対応版にアップデートされる」でもお話した商品一括編集CSVですが、SKU対応に際して商品一括編集CSVのダウンロード・アップロードにはFTPソフトではなくSFTPソフトが必要になります。
「FFFTP」などを使用している場合は、楽天が推奨する「WinSCP」や「CyberDuck」へ乗り換えましょう。
FTPソフト・SFTPソフトとは? |
FTPソフト・SFTPソフトとはサーバーとのファイル送受信を可能にするソフトのことで、商品一括編集CSVをダウンロード・アップロードする際に必要です。 これまではFTPソフトでitem.csvのダウンロードなどをおこなっていましたが、SKU移行後はより安全性の高いSFTPソフトが必要になります。 |
カタログIDなしの理由が一部削除
現在「項目選択肢別在庫」や「セット商品」を理由にカタログIDを入力していない商品も、移行後半年の間にカタログIDの入力が必要になります。
SKU単位で商品を管理できるようになったことで、1商品の中に複数のカタログIDを存在させることもできるようになるためです。
カタログIDとは? |
カタログIDとはJANコードをはじめとした製品コードのことで、全商品登録必須の商品属性情報です。 これまでは1商品に複数のカタログIDを設定できないことを理由に項目選択肢別在庫やセット商品はカタログIDなしにできましたが、SKU移行後はそれらの理由でカタログIDなしとすることはできません。 |
楽天SKUプロジェクトに関するよくある質問
最後にSKUプロジェクトに関するよくある質問として、以下の3つにお答えします。
SKUプロジェクトには対応すべき?
SKUプロジェクトは、店舗にとっても対応することで得られるメリットは大きいプロジェクトといえるでしょう。
対応することで「商品を選んでもらいやすくなる」「他店舗との差別化が図れる」といった効果が期待できます。
ただし変更点が大きい分すべてに対応しようとすると大きなリソースが必要であることと、「商品ページのまとめ」や「SKU画像の用意」など一部戦略的に検討する必要がある点には注意が必要です。
このためまずは商品属性の登録やシステム・ツールのアップデートなど必ず対応しなければならないことから取り掛かり、SKU体制に慣れながら商品ページまとめなどに対応することをおすすめします。
商品ページ統合後に残ったページはどうする?
SKUプロジェクトの目玉ともいえる商品ページ統合ですが、残ったページをそのまま放置しておくことは認められていません。
SKU移行日から360日間は「注文ボタンを非表示」とし、注文が入らないようにしておくことが推奨されています。
またSKU移行日から360日経過後は「ページエラーの状態(商品削除または倉庫)」になっていなければいけません。
これらを守れていないと「不適切な検索対策(同一商品複数登録)」として違反点数制度の対象となる可能性があるため注意しましょう。
レビュー移行前は商品ページを削除しないように! |
商品ページを削除してしまうと、レビュー移行の審査や移行ができなくなります。 一度削除した商品ページは復元することもできないため、商品ページの削除はレビュー移行が完了してからおこなうようにしましょう。 |
SKU移行対応、結局何から始めるべき?
SKU移行対応でまずおこなうべきこととしては、対応する範囲や優先度、スケジュールを把握することが最も重要です。
今回見てきたようにSKU移行で店舗が対応しなければならないことは多いため、手あたり次第取り組むのではなく計画的に対応する必要があります。
また商品登録だけでなく受注出荷対応やデータ分析など影響範囲も広いため、対応する範囲や優先度、スケジュールを関係各所で共有して連携することも重要です。
最低限「商品情報の項目が変更・追加された」「CSV/APIの仕様が変わった」といったことは関係者全員が認識し、商品管理上のトラブルなどに繋がらないように注意しましょう。
楽天SKUプロジェクト:まとめ
今回は楽天のSKUプロジェクトについて、プロジェクトの概要やメリットをはじめ変更点や店舗側が必要な対応までわかりやすく解説しました。
SKUプロジェクトは影響範囲も広く店舗で対応しなければならないことも多いため、各担当者だけで動けるものではないという前提で対応に備えましょう。
各部門にまたがって影響があることを理解した上で、関係各所で連携・協力しながら準備することが重要です。
また今回書ききれなかった各設定の具体的な手順など、SKUプロジェクトについては今後も随時ブログで情報発信していきます。
「SKU対応の方法をわかりやすく確認したい」「SKU移行後の戦略のヒントが欲しい」という方は、引き続きぜひチェックしてみてください。
太田 薫(おおた かおる)
株式会社ファイブスプリングス 代表取締役
元楽天ECコンサルタント、その後楽天MVP獲得店舗の統括部長。 ■無料相談■ |