2022.07.25
こんにちは、ファイブスプリングスです。
「RPP広告はなんとなく配信はしているけれど、上手く運用できているかよく分からない。」
「細かく設定をした方がいいとは思うけど、どうやって運用したらいいか分からない。」
などなど、今や楽天市場で売上を上げるための広告戦略において、欠かすことのできないRPP広告の悩み。
今回はそんなRPP広告の攻略方法を、市場の成熟度による違いに着目しながらご説明いたします。
【本記事でわかること】
◎RPP広告を活用する際の心構え・考え方
◎ブルーオーシャンでのRPP攻略法
◎レッドオーシャンでのRPP攻略法
目次
RPP広告を活用する際の心構え
投資と地道な確認
・自然検索を上げるための投資としてある程度の予算を割く意識をもつ
・費用対効果を上げるために、頻度高く(できれば毎日)調整をする時間を確保する
・注力して調整する商品は10商品以下くらいに抑え、自然検索が上がってきたら注力する商品を変更していく
RPP広告運用のコツについては、以下の記事でも解説しています。
商品ごとにCPCを設定する方法やパフォーマンスレポートなどを含め詳しく解説しているため、ぜひあわせてご覧ください。
市場の成熟度が低いブルーオーシャンでの攻略について
ブルーオーシャンでのRPP広告の特徴
・1ページ目の表示に必要なクリック単価が低くてすむ
・掲載商品数が少ない
・順位の変動が少ない
このような特徴を踏まえて、どのような設定、運用を行うのがよいのか攻略法をお伝えします。
目的に応じたRPP攻略については以下の記事で詳しく解説しているため、ぜひあわせてご覧ください。
まずは検索1ページ目に商品を露出させる
現状は検索結果1ページ目のRPP掲載商品数はPCで3枠、スマートフォンで5枠になります。
1つの考え方として、無理に1位に表示をさせなくてもよいという観点はもっておいて下さい。
ブルーオーシャン市場の場合、お客様が検討したい商品の商品数自体が少ない場合があり、
複数店舗に渡って検討する場合が多く、RPP広告でも表示順位2位以下の商品がクリックされる頻度が高くなると想定されます。
RPPの表示も1位と5位ではクリック単価が大きく変わる場合があるので、費用対効果の観点でそのような視点も持っておくとよいです。
ただし、ターゲットとするキーワードで表示される商品が主に型番で競合の商品が全く同じ商品の場合は、
2位以下の商品がクリックされる頻度が減ると予測されるので、1位表示を取りにいく必要がある場合もあります。
表示されるまでの運用方法
ビッグワードの選定
まず、競合が比較的少ないこの市場ではビッグワードと呼ばれる検索数の多いキーワードでの表示を目指します。
単語1語、2語でターゲットの広いキーワードになります。
例)造花、竹馬、国産 馬肉
商品CPCを10円から設定
商品CPCを最低単価の10円で設定しターゲットにしているキーワードで表示がされるか確認
ターゲットにしているキーワードでのRPP広告出稿商品が表示枠数以下の場合、設定単価が低くても
表示できる可能性が高いです。
キーワード設定をすると最低クリック単価が40円になってしまうので、まずは商品CPCで調整をしてみます。
検索結果へは通常時であればおよそ30分~60分ほどで反映されるので設定後時間をおいて確認をします。
まだ表示がされない場合は5円刻みくらいで商品CPCを上げて表示がされるか確認をしていきます。
その際、競合がなんとなく10円、15円、20円、25円・・と調整していると想像できますので
少しずつその上をいくように設定をします。
10円、11円、16円、21円、26円といった形です。
商品CPCを上げる場合、ターゲットとするキーワード以外のキーワードも単価を上げた状態で
クリックされることになり、少し無駄が生じる可能性があるので、大体25円前後までこの方法で調整をします。
キーワード設定に切り替え40円からクリック単価調整
それでもまだ表示されない場合は、キーワード設定に切り替えます。
無駄をなくすため上げていた商品CPCを10円まで落とし、その上でキーワード設定を行います。
最初は最低単価の40円で設定し、表示されるまで5円刻みくらいでキーワードCPCを上げていきます。
表示がされたら出来るだけ無駄なく表示させるため、1円ずつそこからクリック単価を落として表示がされるぎりぎりのクリック単価を確認します。
ブルーオーシャンでのキーワード設定で時々起こるパターンとして
ある競合が1商品とても高くキーワードCPCを設定していると、目安CPCがそれに引きずられて高騰している場合があります。
その場合、目安CPCよりもだいぶ低いクリック単価で2位以下には表示がされるので、
目安CPCは参考にしつつ40円からクリック単価を調整していく方が無駄が生じにくいです。
日々の調整方法
毎朝の表示確認
ターゲットのキーワードを2つほど決め、毎朝そのキーワードでのRPP広告の表示の有無を確認します。
定めるキーワードは出来るだけ検索数の多そうな2つのキーワードにします。
そうすることで、この2つのキーワードで表示がされていたら、残りのキーワードも表示がされていると想定して、
確認をする時間を短縮します。
表示がなくなっていたら、クリック単価を上げて表示を目指します。
ブルーオーシャンの市場では1日の中でそこまでRPP広告の順位に変動が起きにくいので、朝調整を1度するくらいでもよいと思います。
次に市場の成熟度が高いレッドオーシャンでの攻略について
レッドオーシャンでのRPP広告の特徴
・1ページ目の表示に必要なクリック単価が高い
・掲載商品数が多い
・順位の変動が多い
このような特徴を踏まえて、どのような設定、運用を行うのがよいのか攻略法をお伝えします。
考えられる5つの原因とプロ目線での対処法を詳しく解説しているため、ぜひあわせてご覧ください。
キーワードCPCの上限値を決める
まず、どのキーワードを指定するにせよ、キーワードCPCの上限値を設定します。
上限の設定方法は下記の流れで設定します。
ROASの目標を決める
例)ここでは目標ROASを250%とします
ROASとは・・【経由売上÷費用】で算出される数値で、広告費が何倍の売上になったのかを測る指標です。
例)経由売上100,000円、費用40,000円の場合ROASは250%
ROAS:100,000÷40,000=250%
次に対象となる商品の現在の転換率と商品単価を確認
例)商品A:転換率2.0%、商品単価8,000円とします。
以下の式に数値を当てはめ、CPCの上限値を導き出す
上限CPC=(転換率×商品単価)÷目標ROAS
例)(5.0%×8,000円)÷250%=160円(上限CPC)
上の式は何を計算しているかというと
転換率5%の商品を1つ販売するのに必要なクリック数は【20クリック】
商品単価8,000円の商品を1つ売る際に目標ROASが250%ということは
使える費用は【3,200円】(8,000円÷250%)
3,200円の予算で20クリックとらないといけないので1クリックは160円以下に抑えないといけない。
という計算を1つの式にしています。
これで各商品のキーワードの上限CPCが定まったので、その範囲内でCPCの調整を行います。
表示されるまでの運用方法
ターゲットにするキーワードを定める
競合商品が多いこの市場では、ビッグワードを上限CPC以内で露出させることは難しい場合があります。
その場合には、ビッグワードを含む複合ワードをまず狙いにいき、販売実績をつけて徐々にビッグワードの獲得に進んでいく流れをとります。
例)ビッグワード⇒複合ワード
「ワンピース」⇒「ワンピース ロング丈 春用」
「メンズ シューズ」⇒「メンズ シューズ ホワイト」
「出産祝い」⇒「出産祝い 名入れ 刺繍」
キーワード指定をして目安CPCからクリック単価調整
ブルーオーシャンの市場と違いCPC40円以下で表示が取れるケースは稀なので最初からキーワード設定をしてキーワードCPCを調整します。
キーワード設定をして目安CPCにクリック単価を合わせる。
RPP広告で上位表示されている各商品の設定CPCは拮抗していることが多いため、目安CPC付近でようやく表示ができると考えておきます。
表示状況を確認しながら、表示がされなければ表示がされるポイントまでクリック単価を上げていきます。
日々の調整方法
設定しているキーワードは全て毎日表示の有無の確認
レッドオーシャンの市場では指定している最大10個のキーワードが全て主要なキーワードになることが多いので
いくつかのキーワードが表示されていたら他のキーワードも表示がされているとは考えない方がよいです。
例外はあり、ある主要キーワードの複合ワードを設定している場合、大元になる主要キーワードが表示されていたら複合ワードの方は確認しなくても表示はされていると考えて大丈夫です。
確認をして表示がなくなっていたら、クリック単価を上げて表示を目指します。
1日数回表示の有無の確認
レッドオーシャンの市場では1日の中で何度かRPP広告の順位に変動が起きるので、
イベント期間中や、5と0の付く日など売上の山ができやすい日は、1日のうち何度か表示確認をすることをお勧めします。
目安としては10時、14時、18時、20時くらいの頻度で問題ないと思います。
市場の成熟度で考えるRPP広告攻略:まとめ
楽天RPP広告の攻略で大事なことは、予算と目標ROASをしっかり定め、そこに向かって毎日根気強く細かく調整をおこなうことです。
それができる競合店が多くはないので、そこを頑張ることができれば、競合店を引き離し売上を伸ばすことができてくると思います。
ファイブスプリングスでは今回ご紹介した調整作業の代行のほか、分析~戦略立案~実行まで一貫してサポートするコンサルティングサービスをご提供しています。
「自社が狙っている市場をくわしく分析したい」「RPP広告の設定を市場に合わせて最適化したい」という方は、ぜひ一度お問い合わせページからお気軽にご相談ください。
それでは楽天RPP広告の運用がんばってください!
太田 薫(おおた かおる)
株式会社ファイブスプリングス 代表取締役
元楽天ECコンサルタント、その後楽天MVP獲得店舗の統括部長。 ■無料相談■ |