2023.09.25
こんにちは、ファイブスプリングスです。
楽天市場には、特定の広告枠を一定期間買い取って広告を掲載できる「楽天市場広告」と呼ばれる純広告が存在します。
純広告と呼ばれるようにスタンダードな広告ですが、シンプルでできることが多い分効果的に運用することが難しい広告でもあります。
そこで今回は楽天市場広告について、広告としての特徴から効果的な運用のための活用ポイントまで解説します。
RMSでの具体的な利用手順についても画像付きでわかりやすく解説するため、楽天市場広告を活用してアクセスや売上アップを狙いたい方はぜひ最後までご覧ください。
【本記事でわかること】
◎楽天市場広告とは何か
◎楽天市場広告の利用手順
◎楽天市場広告の活用ポイント
目次
楽天市場広告とは
楽天市場広告とは、楽天市場内の広告枠を買い取って店舗でデザインした広告を掲載できる楽天の純広告のことです。
例えば「楽天市場トップページに2日間掲載する」といった具合に、広告枠ごとに決まった場所に決まった期間広告を掲載できる期間保証型の広告となっています。
楽天市場広告の特徴としては、以下の4点があげられます。
広告掲載料金は数万円~数十万円
楽天市場広告の掲載料金は、1枠あたり数万円~数十万円に設定されています。
広告枠の掲載箇所や掲載期間によって異なりますが、目安としては以下を参考にすると良いでしょう。
【楽天市場広告|掲載料金の目安と広告例】 |
【安め:2万円~】 広告例)特定ジャンルメルマガ「注目ショップ大バナー枠第4コンテンツ枠」【標準:10万円~】 広告例)楽天トップページ「サムネイル広告(ランダム表示)枠」 【高め:40万円~】 |
【広告単価が高いためROASに注意!】
楽天市場広告は上記の通り高額なものが多いため、ROASを気にしながら購入する必要があります。
広告枠と商品の相性が悪いとROAS100を切る(=広告費を回収できない)場合もあるため注意しましょう。
目立つ箇所へ掲載されるため集客力が高い
楽天市場広告は楽天市場トップページなど目立つ箇所へ掲載されるため、高い集客力が期待できる点も特徴です。
パソコン・スマートフォン・タブレット・アプリで、以下の箇所に配信されます。
【楽天市場広告|配信先】 |
・楽天市場トップページ ・楽天市場ジャンルページ ・楽天市場特集ページ (楽天スーパーSALE・お買い物マラソン・シーズナル特集など) ・R-Mail(メールマガジン) |
全ユーザーを対象としたい場合はトップページ、ある程度ターゲットを絞りたい場合は特定ジャンルのメルマガなど使い分けができますが、基本的には広いユーザー層をターゲットとした広告と考えて良いでしょう。
衝動買い向き商品に特におすすめ
楽天市場広告は短期間ながらもおユーザーの目に触れる機会の多い箇所に掲載されるため、衝動買いを引き起こしやすい商品に特におすすめの広告です。
トップページなどは全ユーザーの目に触れる可能性があるため、キャッチーな商品を掲載できれば幅広いユーザーを対象に商品や店舗の認知度を高められるでしょう。
また広告枠によっては特集ページを1ページ丸ごとを独占することもできるため、複数の商品をアピールしたい場合にも有効な広告といえます。
人気の枠は一瞬で売り切れる
楽天市場広告は広告枠ごとに枠数が決まっており、人気の枠は一瞬で売り切れてしまうため注意が必要です。
特に楽天原資クーポンつきの広告枠は人気があり、販売開始時刻ぴったりに合わせて申し込まなければ購入できない場合も少なくありません。
ECCに相談するなどして、可能な限り事前に情報を集めるようにしましょう。
【楽天原資クーポンとは】
楽天原資クーポンは、その名の通りクーポン原資を店舗ではなく楽天運営が負担して配布するクーポンのことです。
楽天原資クーポンについて詳しく知りたい方は、仕組みや利用方法をまとめた以下の記事をご確認ください。
楽天市場広告の利用方法
楽天市場広告は、大まかに「広告枠の購入 → 広告原稿の入稿」という流れで利用できます。
広告枠の購入と原稿の入稿は、いずれもRMSの「プロモーションメニュー」内にある「楽天市場広告」ページからおこないます。
RMSを使った詳しい手順については、以下でご確認ください。
【楽天市場広告|利用方法】
【STEP1】広告枠を購入する
楽天市場広告を利用する際は、まず特定の広告枠を購入する必要があります。
楽天市場広告の広告枠購入は、「楽天市場広告」ページの「検索して購入」タブから以下の手順でおこなえます。
1.広告ジャンルや掲載期間、掲載箇所などを選択し、「この条件で検索」ボタンをクリックします。
4.検索結果から購入したい広告枠を見つけたら、「買い物かごへ」ボタンをクリックします。
(左の「+」ボタンから詳細を開いて「広告メディアガイドを開く」ボタンをクリックすると、広告枠の詳細や掲載条件、掲載イメージなどを確認できます。)
5.購入したい広告枠をすべて買い物かごへ入れたら、右上の「合計金額:○○円」ボタンをクリックします。
6.買い物かごの中身を確認し、問題がなければ「購入する(確認画面へ)」ボタンをクリックします。
(不要な広告枠がある場合は、広告枠右にある「削除」ボタンから削除できます。)
7.「広告お申込み内容の確認」を確認し、問題がなければ「購入を確定する」ボタンをクリックします。
8.最後に「お申込み完了」画面で内容を確認して完了です。
(購入内容については、別途「広告ご購入の確認」メールが送信されます。)
【STEP2】広告原稿を入稿する
広告枠購入後は、ガイドラインや原稿仕様に沿って広告原稿を入稿する必要があります。
広告原稿の入稿は、「楽天市場広告」ページの「入稿・修正依頼確認」タブから以下の手順でおこなえます。
1.ステータスが「未入稿」となっている広告から入稿したい広告を選び、「選択する」ボタンをクリックします。
2.「■原稿規定」の内容を確認し、「原稿を入力」フォーム内の内容(商品画像や商品名など)を入力します。
3.すべての内容を入力したら、「入力内容を確認」ボタンをクリックします。
(「一時保存する」ボタンをクリックして、入稿内容を一時保存することも可能です。)
4.「入稿内容のプレビュー」画面を確認し、問題なければ「入稿を確定する(同時入稿の選択へ)」ボタンをクリックします。
5.最後に「入稿完了」画面で内容を確認して完了です。
(続けてほかの広告を入稿する場合は、「別の入稿作業を続ける」ボタンをクリックします。)
【補足①】代理申し込みの場合は同意が必要
楽天市場広告枠はECコンサルタントが代理申し込みすることも可能ですが、代理申し込みの場合は店舗側で広告購入の同意をする必要があります。
店舗による広告購入の同意は、「楽天市場広告」ページの「広告同意」タブから以下の手順でおこなえます。
1.ECコンサルタントが代理申し込みした広告枠一覧が表示されるため、購入を同意する広告枠の「お申し込み」ボタンにチェックを入れます。
2.画面下部のお申し込み金額を確認し、問題がなければ「同意する(確認画面へ)」ボタンをクリックします。
3.同意内容の詳細が表示されるため、確認の上「上記内容のお申し込みに同意する」ボタンをクリックします。
4.最後に「広告お申し込みの完了」画面で内容を確認して完了です。
(購入内容については、別途「【楽天・広告】広告購入契約成立のお知らせ」メールが送信されます。)
【補足②】修正依頼があった場合は再入稿が必要
楽天市場広告には広告原稿の事前審査があり、修正が必要と判断された場合は再入稿する必要があります。
修正依頼の確認と再入稿は、「楽天市場広告」ページの「入稿・修正依頼確認」タブから以下の手順でおこなえます。
1.ステータスが「修正依頼あり」となっている広告から入稿したい広告を選び、「選択する」ボタンをクリックします。
2.「■修正依頼内容」を確認し、原稿の再入稿やリンク先ページの修正をおこないます。
(リンク先ページ内修正のみの場合は、「連絡事項」欄に修正が完了した旨を記入します。)
3.修正が完了したら、「入力内容を確認」ボタンをクリックします。
4.「入稿内容のプレビュー」画面を確認し、問題なければ「入稿を確定する」または「メッセージを送信する」ボタンをクリックします。
5.最後に「入稿完了」画面で内容を確認して完了です。
【補足③】一部広告枠はキャンセルが可能
一部の広告枠については、店舗側でキャンセルすることが可能です。
ただし申し込み日によってはキャンセル料が発生する点には注意しましょう。
広告枠のキャンセルは、RMSの「プロモーションメニュー」内にある「広告購入履歴」ページから以下の手順でおこなえます。
1.「広告購入履歴」タブをクリックします。
2.「請求対象月」を指定し、「広告種別」から「楽天市場広告」にチェックを入れて「この条件で検索」ボタンをクリックします。
3.キャンセルしたい広告を選び、「キャンセル申請」欄の「申請」をクリックします。
4.キャンセルする広告の内容やキャンセル料などを確認し、問題がなければ「キャンセルする」ボタンをクリックします。
5.最後に「広告キャンセルの完了」画面で内容を確認して完了です。
(キャンセル内容については、別途キャンセル完了メールが送信されます。)
楽天市場広告を最大限活用するための6つのポイント
最後に楽天市場広告を最大限活用するために知っておくべきポイントを解説します。
楽天市場広告を運用する際は、以下6つのポイントを意識しましょう。
【楽天市場広告|活用ポイント】
オリジナルで目を引く広告画像を掲載する
楽天市場広告で高い集客効果を得るためには、まずユーザーの注目を集められるような広告画像を用意することが不可欠です。
せっかく目立つ箇所の広告枠を押さえても、肝心の広告原稿自体が目を引くものでなければアクセスを集めることはできません。
ほかの広告に埋もれずにユーザーの注目を集められる広告画像を用意するためには、以下のポイントを意識して広告画像を作成しましょう。
【楽天市場広告|広告画像のポイント】 |
・商品の魅力を視覚的に伝えられる構図を意識する
・明るさやトリミングにこだわり鮮明な写真にする ・構図や配色などで他店舗と差別化を図る |
楽天で販売する商品画像の基本については、以下の記事で解説しています。
サムネイルの作り方の記事ですが、商品の魅力が伝わる画像の作り方を詳しく解説しているためぜひあわせてご確認ください。
キャッチーな広告文で商品の魅力を伝える
楽天市場広告の広告文はただ商品名などを記入するだけでなく、商品の魅力が十分に伝わる文章を考えましょう。
広告文(テキスト)による訴求も、広告画像と同様ユーザーの興味を引く上で重要な要素です。
商品の魅力を伝えつつユーザーの興味を引く広告文にするためには、以下の点を意識して広告文を作成しましょう。
【楽天市場広告|広告文のポイント】 |
・画像では伝えきれない商品の特徴や魅力を入れる
・目を引くキャッチーなワードや表現を使う ・記号やカタカナを使って視認性を高める |
広告枠に合った商品を選定する
楽天市場広告を効果的に運用するためには、広告の掲載箇所や期間と広告商品がしっかりとマッチしている必要があります。
広告を見るユーザー層と広告商品が合っていなければ、いくら広告画像や広告文を工夫してもアクセスや売上には繋げられません。
広告商品を選定する際は、以下の点を意識しましょう。
【楽天市場広告|広告商品選定のポイント】 |
・衝動買いしやすい万人受け商品を選定する
・興味を引きやすい価格の商品を選定する ・広告枠の特性(配信の時期やジャンルなど)に合った商品を選定する |
【広告枠を変えてみるアプローチも有効】
広告の特性に合わせて商品を選定するほかに、より高い効果が得られる広告枠を探してみるアプローチも有効です。
・他店舗の勝負(セールなど)と被らないタイミングの広告枠を取ってみる
・「1,000円ポッキリアイテム枠」など購買意欲が高いユーザーが興味を持つ広告枠を取ってみる
など、より多くのアクセスや売上アップに繋がる広告枠がないか検討してみましょう。
広告商品の転換率アップを徹底する
楽天市場広告で売上アップまで狙う場合は、広告商品をしっかりと購入してもらえるように転換率アップを徹底する必要があります。
転換率の対策が十分にできていなければ、広告をクリックしてもらえても購入・売上には繋がりません。
広告効果を売上アップまで繋げられるように、以下の点を意識して転換率対策をおこないましょう。
【楽天市場広告|転換率アップのポイント】 |
・衝動買いのユーザーも買いたくなるように商品ページを改善する
・限定クーポン発行や限定セールをおこない「今買う理由」を作る |
楽天で売れる商品ページの作り方については、以下の記事で解説しています。
商品ページに必要な要素や商品ページの制作手順など詳しく解説しているため、ぜひあわせてご確認ください。
まとめ買いを促進して客単価アップを狙う
楽天市場広告で売上や利益を拡大したい場合は、広告商品以外の商品もまとめて購入してもらうことで客単価アップを狙いましょう。
客単価をアップさせることによって、広告の費用対効果を上げることが可能です。
まとめ買いを促進するポイントとしては、以下のような工夫があげられます。
【楽天市場広告|まとめ買い促進のポイント】 |
・広告商品ページに関連商品やおすすめ商品への導線を用意する
・広告商品ページにセールイベントなどへの回遊バナーを設置する ・一度に複数の商品を広告でアピールする |
まとめ買い促進に欠かせない回遊性アップについては、以下の記事で解説しています。
回遊性アップのメリットや4つの回遊パターンに合わせた回遊性アップの方法など詳しく解説しているため、ぜひあわせてご確認ください。
パフォーマンスレポートで効果検証する
楽天市場広告を効果的に運用するためには、しっかりとパフォーマンスレポートを確認しながら効果検証をおこないましょう。
数値に基づいて客観的に効果検証することで、改善をおこなってアクセスアップや売上アップといった目的を達成できるようになります。
楽天市場広告のパフォーマンスレポートは、RMSの「プロモーションメニュー」内にある「楽天市場広告」ページの「パフォーマンスレポート」タブから確認できます。
パフォーマンスレポートでは広告経由での売上などさまざまなデータが確認できますが、特に以下3つのデータに注目しましょう。
【楽天市場広告|パフォーマンスレポートでチェックすべきデータ】 |
・CPC(広告が1クリックされるのにいくらかかったか)
・CVR(ページに来たユーザーの何割が購入したか) ・ROAS(広告費に対して何倍の売上になったか) |
これらのデータを分析することで、以下のように効果的に改善に繋げることができます。
【楽天市場広告|パフォーマンスレポートによる改善例】 |
課題点 | 改善例 |
CPCが悪い場合 (クリックされていない) |
〉オリジナルで目を引く広告画像を掲載する |
CVRが悪い場合 (クリックされたが購入されていない) |
〉広告枠に合った商品を選定する |
ROASが悪い場合 (広告の費用対効果が悪い) |
〉まとめ買いを促進して客単価アップを狙う |
楽天市場広告とは:まとめ
今回は楽天市場広告について、広告としての特徴やRMSでの具体的な利用手順から、効果的な運用のための活用ポイントまで解説しました。
トップページやメルマガに配信されるため高い集客効果が期待できる楽天市場広告ですが、広告画像・広告文・商品選定の最適化や商品ページの改善が必要です。
ファイブスプリングスでは広告運用サポートをはじめ、分析~戦略立案~実行まで一貫してサポートするコンサルティングサービスをご提供しています。
「楽天市場広告の運用を手伝ってほしい」「自店舗・自商品に合った楽天の広告を一緒に考えて欲しい」という方は、ぜひ一度お問い合わせページからお気軽にご相談ください。
太田 薫(おおた かおる)
株式会社ファイブスプリングス 代表取締役
元楽天ECコンサルタント、その後楽天MVP獲得店舗の統括部長。 ■無料相談■ |