2023.06.14
こんにちは、ファイブスプリングスです。
楽天市場で効率的に利益をあげるためには顧客獲得や客単価アップが必要となりますが、客単価やリピートアップに非常に有効な施策の1つが同梱施策です。
同梱物を効果的に提供することで、自店舗や商品についてより身近に、よりくわしく知ってもらうことができます。
ただし一方で「顧客が本当にもらってうれしい同梱物」を提供できなければ、顧客満足度の向上にもつながらない上コストだけがかかってしまう点には注意が必要です。
そこで今回は楽天での同梱施策について、そのメリットから具体的な同梱物の例や役割、効果的に活用するためのポイントまで解説します。
楽天で同梱施策をおこなう上で知っておくべき注意点もあわせて解説するため、同梱施策を効果的におこないたい方や顧客に喜ばれる同梱物を知りたい方はぜひ最後までご覧ください。
【本記事でわかること】
◎同梱施策をおこなうメリット
◎具体的な同梱物の例と役割
◎同梱施策のポイントと注意点
目次
同梱物を入れるメリット
自店舗や商品について知ってもらえる同梱施策には、楽天での売上アップにつながるたくさんのメリットがあります。
より具体的には、同梱物を入れるメリットとして以下の5つがあげられます。
客単価の向上につながる
同梱施策は購入してもらった商品の良さやほかの商品を効果的におすすめできるため、客単価アップに有効です。
具体的な方法としては、カタログやサンプル商品などを同梱してクロスセルやアップセルを狙うと良いでしょう。
カタログは店舗の幅広い商品ラインナップを知ってもらうことができ、サンプル商品は実際の品質や使い心地を体験してもらえます。
このように購入してもらった商品と関連性のある同梱物や興味がありそうな同梱物を提供することで、商品の魅力をアピールして客単価アップを狙うことが可能です。
クロスセル・アップセルとは? |
クロスセルとは、既に購入した商品に関連性のある他の商品をおすすめすることです。 例えばスマートフォンを販売している場合、保護フィルムや充電器などの関連商品をおすすめできます。アップセルとは、既に購入した商品よりも高額な商品をおすすめすることです。 例えばコーヒーを販売している場合、高級なコーヒー豆やカフェインレスコーヒーなどをおすすめできます。 |
リピーター獲得につながる
商品を買ってくれた顧客に対してさらなる満足度と付加価値を提供できる同梱施策は、リピーター獲得にも有効です。
具体的な方法としては、商品説明書やクーポンなどを同梱して商品の活用方法を提示したり継続的な購買意欲を喚起すると良いでしょう。
商品説明書は基本的な説明に加えて活用方法などを記載したり、クーポンは使いやすいようにQRコードを記載したりすると効果的に訴求できます。
このように顧客の関心を引き続けて追加の価値を提供することで、顧客満足度の向上と複数商品の購買促進につなげることが可能です。
他社との差別化を図れる
同梱施策では同梱物の内容や入れ方を店舗が自由に決められるため、他社と差別化を図れる点もメリットといえます。
具体的方法としては、挨拶状や商品説明書などを同梱して店舗の魅力をアピールしたり他店にはないようなユニークな商品説明を提供すると良いでしょう。
特に他店も取り扱っているような型番製品を販売している場合は、商品自体に違いが生じない分同梱物の内容が商品価値の違いを生じさせます。
このように同梱施策を通じて自店舗ならではの価値を提供することで、他社と差別化を図り選ばれる店舗・商品となることができます。
ほぼ100%開封してもらえる
同梱物は商品の箱を開封した際に必ず目に入るため、ほぼ100%開封してもらえる点もメリットとしてあげられます。
メルマガなどほかのマーケティング施策の開封率が高くても30%程度であることを考えると、非常に高い確率で顧客まで届く施策であるといえます。
ただし「目に入る」だけでなく「手に取って見てもらえる」ようにするためには、ただ同梱物を入れるだけでなく興味を惹くための工夫が必要です。
具体的な方法としては、サンプル商品やクーポンなど顧客にとってメリットを感じやすい同梱物を入れると良いでしょう。
このように同梱施策は非常に高い開封率を誇るため、顧客まで届けやすいという点で非常に優秀なマーケティング施策といえます。
VOCを集められる
ほぼ100%開封してもらえるマーケティング施策である同梱施策は、VOC(Voice of Customer:お客様の声)を効率的に集められるという点でも優秀です。
具体的な方法としては、アンケートやVOCの紹介などVOCを集められる・VOCを集めやすい同梱物を入れると良いでしょう。
「レビュー記載で割引クーポン獲得」など、顧客にメリットを感じさせつつVOCを集められるような工夫も非常に重要です。
VOCを効率的に集めることができれば、商品やサービスを改善したり商品価値を高めることができます。
同梱物の例とそれぞれの役割
同梱施策のメリットについて押さえたところで、具体的な同梱物の例とその役割を見ていきましょう。
今回は同梱物の具体例として、以下7つをご紹介します。
挨拶状
挨拶状は、顧客とのコミュニケーションや感謝の気持ちを伝えるための重要な要素です。
挨拶状を通して購入への感謝を伝えたり顧客に合わせたメッセージを記載したりすることで、顧客に親しみや特別感を感じてもらうことができます。
またブランドメッセージを盛り込んだりデザインにこだわったりすることで、ブランドの特徴や魅力をアピールすることも可能です。
このように挨拶状は、顧客とのつながりを強めたりブランドイメージを向上させたりする際に有効な同梱物といえます。
商品説明書
商品説明書は、顧客の商品理解と満足度向上に役立つ重要な要素です。
商品説明書を通して商品の使い方や特徴を伝えることで、顧客は迷うことなく商品を使用できるようになります。
また基本的な説明だけでなく店舗独自の活用ポイントなども伝えられると、顧客に付加価値を感じてもらいやすいでしょう。
例えば食材を取り扱っている場合は、購入してもらった食材を使ったおすすめのレシピなどをあわせて提供すると効果的です。
このように商品説明書は、顧客の商品体験をサポートして顧客満足度を向上させる際に有効な同梱物といえます。
問い合わせやトラブルを軽減する役割も |
商品説明書には、トラブルシューティング・FAQや疑問を解決するためのサポート情報を記載することも有効です。 これらを記載しておくことで顧客は安心して商品を利用できるようになり、万が一トラブルが起きた場合もスムーズに解決できるようになります。 |
カタログ
カタログは、顧客への情報提供や追加の商品認知を促進する上で重要な役割を果たします。
取り扱い商品を写真や詳細な説明を交えながら一覧で伝えられるため、顧客に対して商品の魅力や豊富なラインナップを効果的に訴求できます。
また購入してもらった商品の関連商品やアップグレードオプションなどを紹介することで、クロスセルやアップセルをおこなうことも可能です。
このようにカタログは、顧客の購買意欲を高めたり追加の商品購入を促したりする際に有効な同梱物といえます。
サンプル商品
サンプル商品は、関連商品やおすすめ商品の追加購入を促す上で重要な役割を果たします。
無料のサンプルを提供して商品の特徴や品質を実際に体験してもらうことで、購買意欲を高めて追加購入やクロスセル・アップセルにつなげることができます。
サンプル商品を同梱する際は、購入してもらった商品から顧客のニーズを分析して興味がありそうなものを同梱するとより効果的です。
ただし新商品やおすすめ商品など売り出したい商品がある場合は、ニーズから大きく外れていなければ積極的にアピールするとよいでしょう。
このようにサンプル商品は、顧客の購買意欲を高めたり売り出したい商品の普及を促したりする際に有効な同梱物といえます。
クーポン
クーポンは、購買意欲を刺激してリピート購入を促進する上で非常に有効なツールです。
クーポンによる割引や特典は顧客にとってメリットを感じやすいため、購買意欲を刺激してリピート購入を促すことができます。
また期間・数量限定のクーポンを提供すると緊急感や希少性を演出できるため、短いスパンで効率的にリピーターを生み出したい場合に有効です。
このようにクーポンは、戦略的・効率的にリピート購入を促進したい場合に有効な同梱物といえます。
楽天でのクーポン発行方法は? |
楽天では、RMSの「クーポン設定」から各種クーポンの発行をおこなえます。 クーポンのくわしい発行方法や活用方法、注意点については、以下の記事をご確認ください。 |
VOCの紹介
VOCの紹介は、店舗・商品への信頼獲得やフィードバックの提供促進に有効なツールといえます。
商品を購入した際の期待値は商品開封時に最も高まりますが、VOCを紹介するチラシなどを同梱することで「良い商品を買ったんだ」という気持ちを後押しして満足度をさらに向上させることができます。
また実際にVOCを同梱物として還元(紹介)することで、アンケートを同梱した際の回答率が高まる効果も期待できます。
このようにVOCの紹介は、ブランドの信頼性や顧客満足度を向上させたい場合に有効な同梱物といえます。
アンケート
アンケートは、顧客の意見やフィードバックを効果的に収集するために有効な手段です。
アンケートを通して顧客の意見や評価を直接収集することで、商品・サービスの品質や改善点を把握して顧客満足度を向上させる施策を打つことができるようになります。
ただしアンケートの回答率を高めるためには、「回答すると割引クーポンがもらえる」など参加するメリットをわかりやすく提供するといった工夫が必要です。
このようにアンケートは、顧客満足度を測定したりニーズを把握したりする際に有効な同梱物といえます。
同梱物を効果的に活用するポイント
同梱物の具体例とそれぞれの役割について押さえたところで、次にそれらの同梱物を効果的に使用するためのポイントを解説します。
同梱施策は少なからずコストがかかる施策でもあるため、以下3つのポイントを押さえて最大限効果的に運用しましょう。
商品やニーズに合った同梱物を入れる
同梱物を実際に手に取って喜んでもらうためには、商品や顧客のニーズに合った同梱物を選ぶことが重要です。
購入してもらった商品と関連性のあるものや顧客の関心を引きつけるものを同梱することで、同梱物の受け取り率や同梱施策の効果を高めることができます。
「カタログを同梱する際は購入商品と関連性の高い商品が掲載されたものを入れる」「サンプル商品やクーポンなどわかりやすくメリットを提供できるものを入れる」など、商品や顧客のニーズを考慮しながら顧客に喜ばれる同梱物を提供しましょう。
具体的な例として、こどもの事故を防ぐためのグッズを中心に販売している弊社運営の楽天店舗「Hariti」では『オリジナル事故マップ』を同梱物として提供しています。
家庭内にある「こどもにとって危険な場所」をまとめた『事故マップ』はお子様に対する安全意識が高い顧客層のニーズとマッチしており、楽天のレビューでも多数の高評価をいただいています。
このように同梱物を入れる際は、「受け取った顧客が本当に喜ぶものか?」を常に考えながら商品の特性や顧客のニーズに合ったものを選びましょう。
店舗や商品の紹介で親近感・安心感を得る
同梱施策を効果的に運用するためには、店舗や商品を紹介して親近感や安心感を得ることも重要です。
商品説明書やカタログで店舗のこだわりや商品ができるまでの工程を伝えることで、店舗や商品に対する信頼感や興味を持ってもらうことができます。
顧客に信頼感や安心感を持ってもらうためには、実際のスタッフや製作工程の写真を交えながら店舗や商品を紹介するとより効果的です。
顧客提供で使用しても良い写真がある場合は、それらも積極的に掲載することで満足感や安心感を与えられます。
このように同梱物として商品説明書やカタログなどを検討している場合は、「どうすれば店舗や商品が良い印象で顧客に残るのか?」を常に考えながら同梱物を製作しましょう。
飽きさせないようにバリエーションを持たせる
同梱施策を長期的に運用することを考えた場合、飽きさせないようにいくつかのバリエーションを用意しておく必要があります。
リピートした際に別の同梱物を提供できれば、毎度異なる喜びや驚きを与えて顧客の興味を惹き続けることができます。
具体的な例として「販売している食材を使ったレシピ」が同梱物の場合、定期的にレシピの内容を変えるといった工夫が有効です。
また同梱物の内容だけではなく、同梱物を入れる順番を変えることも飽きさせないために効果的です。
「初回購入の場合はカタログを一番上に置く」「リピート購入の場合はバリエーションのあるもの(上の例のレシピなど)を一番上に置く」など、顧客の種類によって同梱物を入れる順番を変えてみましょう。
このように同梱施策を継続的・効果的に運用するためには、「どうすれば飽きずに楽しんでもらえるか?」を常に考えながら同梱物の内容や順番にバリエーションを持たせる工夫が必要です。
同梱施策で注意すべきポイント
最後に楽天の同梱施策で注意すべきポイントとして、以下の3つを解説します。
同梱物を過剰に入れない
同梱施策でまず気を付けなければならない点は、同梱物を入れすぎないことです。
同梱物は顧客にとっても喜ばしい場合に満足度向上やリピート購入につながるものであり、顧客にとって不要な同梱物は逆効果となってしまうため注意しましょう。
ニーズに当てはまらない余計な同梱物や多すぎる同梱物は、顧客にとって開封や処理の負担となってしまいます。
関連性の低いサンプル商品や大量のカタログは、顧客に整理する負担を与えて満足度の低下につながる恐れがあるため注意が必要です。
このように同梱物はただ入れれば良いというものではないため、顧客のニーズから外れていないものを必要な分だけ同梱するようにしましょう。
コスト増加・作業ミス増加に注意する
同梱施策には同梱物の製作や梱包に金銭的・時間的なコストがかかるため、コスト増加や作業ミス増加にも十分に注意しましょう。
サンプル商品やクーポンなどはリピート購入が期待できる訴求力の強い同梱物ですが、十分に利益を確保するためには費用対効果をしっかりと測定する必要があります。
また同梱物を製作したり梱包したりするためには追加の作業が必要となるため、作業コストや作業ミスの増加を抑えるために作業プロセスや人員配置の最適化も必要です。
このように同梱施策にはコスト増加やミスリスクが必ず伴うため、利益計算や作業の最適化などデメリットを最小限に抑えられる工夫をおこないましょう。
楽天のガイドラインに違反しないよう注意する
楽天で同梱施策をおこなう上で見落とせない点が、楽天のガイドラインに違反しないように注意することです。
楽天では当然同梱物を提供すること自体は禁止されていませんが、以下の内容を同梱物に記載することは「ユーザーを楽天市場外の取引に誘導する行為」として禁止されているため注意しましょう。
【楽天で同梱物に記載できない内容】
× 自社サイト、他モールサイトなどのURLやサイト名、QRコードの記載
(例外外部リンクとして許可されたもの、または楽天店舗URLが併記された状態であればOK)
× SNSサイトのURLやサイト名、QRコードの記載
(R-SNSページURLが併記された状態であればOK)
× 実店舗・リアルイベント案内
(楽天よりも実店舗・リアルイベントを積極的に優遇する旨の記載がない形で紹介するものであればOK)
× 楽天市場で取り扱っていないサービス・商品案内
(楽天以外の物販やECの情報以外を目的とした情報提供であればOK)
これらの内容を許可なく記載してしまうと違反点数制度の対象となりペナルティを受ける可能性があるため、店舗運営Naviの「楽天市場以外での取引行為および取引誘導に関するガイドライン」を改めて確認しておくことをおすすめします。
(閲覧にはRMSへのログインが必要です。RMSへログインした上で上記テキストリンクをクリックしてください。)
なお外部リンク申請やR-SNSを利用すると、記載できる内容の範囲が少し広がります。
楽天の外部リンク申請とR-SNSについては、利用方法や利用時のポイント・注意点についてくわしく解説した以下の記事をご覧ください。
楽天の同梱施策:まとめ
今回は楽天での同梱施策について、メリットと具体的な同梱物の例、効果的に活用するためのポイントや注意点を解説しました。
ほぼ100%の開封率で客単価アップや顧客獲得を見込める同梱施策ですが、ルールを守って効果的に同梱物を提供するためにはガイドラインの理解やマーケティングに関する知識・経験が必要です。
ファイブスプリングスでは今回ご紹介した同梱施策のサポートをはじめ、分析~戦略立案~実行まで一貫してサポートするコンサルティングサービスをご提供しています。
「どんな同梱物を入れるべきかわからない」「詳しい同梱分析をして欲しい」という方は、ぜひ一度お問い合わせページからお気軽にご相談ください。
太田 薫(おおた かおる)
株式会社ファイブスプリングス 代表取締役
元楽天ECコンサルタント、その後楽天MVP獲得店舗の統括部長。 ■無料相談■ |