2023.04.07
こんにちは、ファイブスプリングスです。
いつでも・どこでも気軽に商品を贈ることができるECはギフトとの相性が良く、ギフトサービスを展開することで売上アップが見込めます。
ただしギフトサービスを効果的に展開するためには、商品設定や商品ページ、顧客対応をギフト商品用に最適化しなければなりません。
そこで今回は楽天でのギフトサービスに必要な対応ポイントを、フェーズ別にチェックリスト形式でまとめました。
これらを徹底すれば楽天のギフト対応はバッチリという内容になっているため、これからギフトサービスを始める方はもちろん、ギフトサービスの品質を向上させたい方もぜひ最後までご覧ください。
【本記事でわかること】
◎ギフトサービスに必要な対応ポイント(フェーズ別)
◎ギフト対応で気を付けるべき・注意すべきポイント
◎ギフトサービスを売上につなげるために知っておくべきポイント
目次
【事前準備】でチェックすべきポイント
ギフト対応は、ラッピングなどを準備しただけですぐに始められるものではありません。
RMSで商品をギフト対応させるための設定をおこなった上で、ギフト商品をしっかりと露出する必要があります。
ギフト対応を始める前の準備段階では、以下2つのポイントに気を付けましょう。
商品のギフト設定をおこなう
楽天でギフトサービスを提供するためには、ラッピング資材を用意するだけでなくRMSで各商品をギフト商品として設定しなければなりません。
ユーザーにラッピング資材を選んでもらう方法を設定したり、ギフト対応を無料にするか有料にするかを決めたりする必要があります。
RMSでは基本情報設定からラッピングや熨斗(のし)の設定をおこなえますが、ユーザーにとっても使いやすくあらゆるギフト設定に対応できる項目選択肢を使ったギフト設定の方法がおすすめです。
▼項目選択肢を使ったギフトサービスの例
RMSでギフト設定をおこなう詳しい手順については、RMSギフト設定方法を基本から応用まで解説した以下の記事をご確認ください。
またギフト対応を無料にするか有料にするかの考え方については、楽天でのギフトサービスの始め方について解説した以下の記事をご確認ください。
ギフトナビゲーションサービスに申請する
RMSでギフト設定をおこなったら、忘れず「ギフトナビゲーションサービス」の利用申請もおこないましょう。
ギフトナビゲーションサービスは、楽天が認定した店舗に対してギフト商品を効果的に露出するための機能や機会を提供するサービスです。
具体的には商品ページにギフトアイコンを表示できるようになるほか、ギフト商品のみを集めた公式のギフト特集ページ「おくりものナビ」にも商品が掲載されるようになります。
▼ギフトアイコン
▼おくりものナビ
ギフトナビゲーションサービスの申請は、RMSの「各種申請・設定変更」内にある「ギフトナビゲーション認定審査申請」からおこなえます。
ギフト認定されればギフト商品が露出される可能性もあるため、ギフトサービスを始める際は忘れずにギフトナビゲーションサービスの申請もおこないましょう。
ギフトナビゲーションサービスの詳しい申請手順は以下の記事をチェック! |
ギフトナビゲーションサービスの詳しい申請手順や利用時のポイントについては、以下の記事をご確認ください。 |
【商品ページ作成】でチェックすべきポイント
ギフト商品を売り出す際は、商品ページをギフト商品仕様にする必要があります。
通常商品のページと異なり、ギフトに関するサービス内容や注意点までわかるように商品ページを作らなければなりません。
商品ページを作成する際は、以下3つのポイントに気を付けましょう。
ラッピングがわかる画像を掲載する
ギフト商品の商品ページには、必ずラッピングがわかる画像を掲載しましょう。
実店舗でギフトを買う場合と異なり注文者はラッピングされた商品を自分の目で確認できないため、そうした不安を払しょくするためにも画像を掲載することは重要です。
具体的には以下のような写真を掲載することで、対応できるラッピング方法やお届け時のギフト商品イメージを伝えられます。
【ラッピングを伝える写真例】
・「ラッピングの種類」がわかる写真
・「ラッピングした商品の状態」がわかる写真
・「全体のサイズ感」が分かる写真
・「梱包時の状態(段ボールを開けた際の状態)」がわかる写真
…など
▼「ラッピングの種類」がわかる写真の例
▼「ラッピングした商品の状態」がわかる写真の例
またギフト商品として本格的に売り出したい場合は、サムネイルにもラッピングした状態の商品写真を採用しましょう。
サムネイルにラッピングの写真を掲載することで、検索結果画面でもギフト対応商品であることをわかりやすくアピールできます。
▼ラッピング写真を掲載したサムネイルの例
イメージ画像は可能な限り実物と同じ色味・質感で! |
ラッピングの画像を掲載する際は、トラブルやクレームを避けるため実物と色味や質感が大きく異ならないように注意しましょう。 「※画面上の色はパソコンやスマートフォンの環境、ディスプレイの設定により実物と異なる場合があります。」などの注意書きをあらかじめ記載しておくことも有効です。 |
送り先が喜んでいる写真を入れる
商品ページの画像に関するポイントとしては、商品画像やサムネイルに送り先が喜んでいる写真を入れることも有効です。
▼送り先が喜んでいる写真の例
送り先が喜んでいる姿をイメージさせることで、注文者に「ギフトを贈る」という体験そのものをイメージさせて購買意欲を高めることができます。
「この商品を贈って喜ばれるかな…?」という不安を払しょくすることにもつながるため、イメージ写真を積極的に活用しましょう。
商品画像の詳しい作り方については、楽天で売れる商品画像の作り方を解説した以下の記事をご確認ください。
注文の締め切り日時を明示する
贈り物はお届け日が重要になることが多いため、特定の日にお届けするための「注文の締め切り日時」を商品ページにわかりやすく記載する必要があります。
「何月何日の何時までの注文で、いつまでに届けられるのか」を、バナーなどを使って商品ページ内のわかりやすい場所に明記しましょう。
▼注文締め切り日時の画像例
なお特に以下のようなシーズナルイベントの際は、注文が殺到したり運送業者が込み合ったりする可能性があります。
余裕を持って締め切り期日や在庫を設定するほか、事前に運送業者と配送予定数を共有するなど可能な限り連携して対応しましょう。
【代表的なシーズナルイベントの例】
・母の日/父の日
・バレンタインデー/ホワイトデー
・こどもの日/敬老の日
・お中元/お歳暮
・ハロウィン
・クリスマス
…など
【受注対応】でチェックすべきポイント
ギフト商品を取り扱う際は、受注対応にも気を付けなければなりません。
通常商品と異なり、ラッピングの方法や同梱物、配送日時など、注文者から個別の要望を受けるためです。
受注対応の際は、以下3つのポイントに気を付けましょう。
注文詳細情報を徹底的に確認する
ギフト商品を取り扱う際は、通常商品を取り扱う際と比べて注文詳細情報の確認をより徹底しましょう。
これまでお話してきたように、ギフト商品では注文者からの個別の要望により気を付ける必要があるためです。
確認漏れや認識違いによるトラブルやクレームを避けるためにも、以下4つの項目は必ず確認することをおすすめします。
【ギフト商品の受注で確認すべき注文詳細情報】
・受注アイコン
ギフト希望を意味する「ギフト配送アイコン」が表示されているか確認します。
・お届け日指定/お届け時間帯
指定日時にお届けできるかどうか確認します。
・送付先
送り先への直送なのか一旦注文者への送付なのかを確認します。
(※直送の場合、送り主を店舗名ではなく注文者名にすることが一般的です。)
また、記載住所に不備がないか確認します。
・備考欄
ラッピング・のしの種類やメッセージカードの内容など、ユーザーの希望を確認します。
受注確認メールで注文者に内容を確認する
ギフト商品を受注したら、受注日から翌営業日以内にサンクスメールを送付して受注確認をおこないましょう。
受注確認メールでは「注文詳細情報を徹底的に確認する」で確認した内容をもとに、以下のような内容を注文者に再度確認します。
受注確認メールを送ることで、注文者に安心感を与えつつ認識違いのリスクを抑えることができます。
【受注確認メールで確認する内容】
・送付先
・配達希望日時
・備考欄の要望
…など
▼受注確認メールの例
この度はご注文頂き誠にありがとうございます。
【(店舗名)】と申します。
数あるネットショップの中から当店を選んでいただき、
スタッフ一同大変嬉しく思っております。
ご注文内容確認後、商品発送準備に進めない場合は
別途、ご連絡させていただきます。
おおよそ注文日または入金確認日から4営業日以内での発送となります。
今回ご注文いただいた内容につきまして間違いがないか以下ご確認ください。
なお、ご注文の内容に間違いがあった場合には至急当店までお知らせください。
[ご送付先]
・・・・・
[ご希望配達日時]
・・・・・
[その他ご希望内容]
・・・・・
大量の届け先があるお客様に備える
ギフト商品の場合は、「複数の届け先に商品を贈りたい」というユーザーニーズに応える必要があるケースも考えられます。
例えば香典返しや内祝いなどの場合複数の届け先に商品を贈る必要がありますが、楽天の注文では複数種類の商品に複数の届け先を指定することができません。
このようなニーズにも応えるためには、店舗側でユーザーが簡単に複数の届け先を指定できるような仕組みを提供する必要があります。
複数の届け先指定のための主な方法としては以下の3つがあげられますが、サポート体制やユーザー特性(パソコンの扱いに慣れているかどうか)に応じて自店舗にあったものを選びましょう。
なお管理のしやすさから、エクセルファイルを使った方法がおすすめです。
【複数の届け先指定のための3つの方法】
・エクセルファイルによる指定方法(おすすめ!)
届け先指定用のエクセルファイルをダウンロードしてもらい、商品注文後にメールで送信してもらう方法です。
以下の情報を記入・確認できるエクセルファイルを用意しましょう。
(エクセルファイルはダウンロード用のページを別途制作しますが、一緒に利用方法や利用上の注意点も記載しておくとユーザーも利用しやすくなります。)
・注文情報…注文者の氏名、注文番号 など ・商品情報…商品番号、商品名、個数 など ・届け先情報…届け先の氏名、住所、電話番号 など ・配送日時情報…配送を希望する日時 など |
▼お届け先指定用エクセルファイルの例
・メールやFAXによる指定方法
商品注文後に、メールやFAXで届け先を送信してもらう方法です。
メールやFAXによる届け先指定が可能である旨を商品ページなどに明示し、送付先のアドレスや番号、受付時間を記載しましょう。
また、メールやFAXに記載して欲しい情報(届け先情報のほか注文番号や商品番号など)もあわせて指定しましょう。
▼商品ページなどへの記載例
商品購入後、メールやFAXにてお届け先様をまとめて指定することが可能です。
・ご注文番号
・お届け先氏名
・お届け先ご住所
・お届け先お電話番号
・お届け先ご指定配達日時
を記載の上、下記お問い合わせ先までお送りください。
メール:○○@○○.co.jp<24時間受付/年中無休>
FAX :0120-xxx-xxx<24時間受付/年中無休>
・備考欄での指定方法
商品注文時に、備考欄に届け先を記載してもらう方法です。
以下のように記載して欲しい情報(届け先の氏名や住所、電話番号など)をはっきりと指定しましょう。
あらかじめ複数届け先指定用の備考欄を用意しておくと、ユーザーも利用しやすくなります。
▼お届け先指定用備考欄の例
お届け先が多数の場合は以下ご記入ください。
【お一人目】
〇商品名:
〇お名前:
〇ご住所:
〇お電話番号:
〇ご指定配達日時:
====================
【お二人目】
〇商品名:
〇お名前:
〇ご住所:
〇お電話番号:
〇ご指定配達日時:
====================
・
・
・
お届け先指定用エクセルファイルを配布中! |
複数届け先指定のためのエクセルファイルを提供したい方は、弊社の「まとめて注文エクセルテンプレート」をご活用ください。
届け先指定に必要な記入項目をすべて網羅しておりそのままでもご利用できるエクセルテンプレートをご希望の方は、コチラのページから入手していただけます。 |
【梱包・配送】でチェックすべきポイント
ギフト商品を取り扱う際は、梱包や配送も慎重におこなう必要があります。
届ける商品が同じであっても、お届け時の状態や対応で印象が大きく異なってしまうためです。
梱包・配送の際は、以下3つのポイントに気を付けましょう。
値札など価格がわかるものは外す
ギフト商品はお届け物のため、基本的に以下のような商品価格がわかるようなものは同梱しないように気を付けましょう。
(※注文者から同梱希望がある場合を除く。)
【ギフト商品に同梱してはいけないもの】
× 値札
× 領収書
× 納品書
なお商品ページにも商品価格が分かるものは同梱しない旨を明記しておくと、注文者にも安心して商品を購入してもらえます。
▼同梱物に関する注意書きの例
販促物も基本的に同梱NG! |
商品価格がわかるもののほか、「レビュー催促チラシ」や「購入者限定クーポン」などの販促物も同梱しないように注意しましょう。 |
商品や外装箱が破損しないように梱包する
ギフト商品はキレイな状態で届くことが重要なため、商品や外装箱が届くまでに破損してしまわないよう厳重に梱包する必要があります。
梱包時と同じ状態でお届けできるように、以下のような対策をおこないましょう。
【梱包・配送で商品を傷つけないための対策】
・緩衝材を敷き詰める
・頑丈な梱包材を使用する
・「下積み厳禁」「天地無用」などのシールを貼る
…など
また商品ページにどのような状態でお届けするかがわかる写真を掲載することで、注文者も安心して商品を購入できるようになります。
発送完了メールで注文者に安心感を与える
商品を出荷したら、注文者に発送完了メールを送りましょう。
発送完了メールでは以下のような情報を提供することで、注文者に安心感を与えられます。
【受注確認メールで確認する内容】
・発送日
・商品到着予定日
・お問い合わせ番号(配送伝票番号)
…など
▼発送完了メールの例
お世話になっております。
【(店舗名)】でございます。
この度は、当店をご利用いただき誠にありがとうございました。
ご注文いただきました商品のご用意ができましたので、本日発送の手続きを行いました。
宅配業者、お問い合わせ伝票番号、出荷日は以下のとおりです。
商品到着まで今しばらくお待ちください。
[宅配業者]
・・・・・
[お問い合わせ伝票番号]
・・・・・
[出荷日]
・・・・・
【さらに売上をアップさせる】ためにチェックすべきポイント
最後にギフトサービスでさらに売上をアップさせるためのポイントを3つご紹介します。
ギフトサービスを展開する際は以下のポイントを押さえることで、ユーザーの満足度を向上させつつ売上もアップさせられます。
ギフト商品をあす楽に対応させる
ギフト商品の競争力を高めたい場合は、可能な限り商品をあす楽に対応させましょう。
ギフト商品は通常商品と異なり、クリスマスや誕生日など「イベント当日に届くこと」が商品選びの第一の要素になりえるからです。
あす楽など直前の注文でも迅速にお届けできる体制を整えておくことで、競合商品よりも価格などで劣っていても選んでもらえる可能性が生じます。
商品をあす楽対応させる方法については、RMSの設定手順や運用のポイントについてまとめた以下の記事をご確認ください。
ギフト商品にあると喜ばれるサービスとは? |
ギフト商品では、あす楽以外にも以下のようなサービスがあると競合商品と差別化を図れます。
・配達日時が選択できる |
同梱物を工夫してプロモーションをおこなう
ギフトサービスは注文者だけでなく届け先にも商品やブランドを知ってもらえる機会のため、ギフト商品の受取り手にも顧客となってもらえるように同梱物を通してプロモーションをおこなうことも重要です。
ただしあくまでも注文者の気持ちを届けるギフト商品のため、「値札など価格がわかるものは外す」で見たように「レビュー催促チラシ」や「購入者限定クーポン」といったガツガツしたアピールはしないように注意しましょう。
具体的にはチラシやカタログなどの同梱であれば、商品を喜んでもらえた際に店舗やブランドのことをより知ってもらえる可能性があります。
カテゴリや特集ページを活用してギフト商品への導線を作る
ギフト商品をある程度用意できたら、カテゴリや特集ページを活用してギフト商品をいくつかのページにまとめましょう。
個別にいくつかの商品をギフト対応させるだけでなく、ギフト商品をまとめたページを用意しておくことで、ユーザーがギフト商品を探しやすく、選びやすくなるためです。
具体的には、以下の手順でギフト商品のナビゲーションを設置しましょう。
【ギフト商品のナビゲーション方法】
①商品をカテゴリ分けする
「用途(イベント)別」「予算別」「人気別」「相手別」「カラー別」など、ユーザーの探し方に合わせてカテゴリページを階層分けします。
②各カテゴリへの導線を作る
トップページや特集ページを使って、①で制作した各カテゴリページをさらにまとめたページを制作します。
(ギフト商品の種類が多くない場合は、カテゴリページではなく直接商品ページへ誘導してもOKです。)
ギフト対応チェックリスト:まとめ
今回は楽天でのギフトサービスに必要な対応ポイントを、フェーズ別にチェックリスト形式でまとめました。
ECで売上アップのカギとなるギフトサービスですが、ギフト体制を整えるためにはギフト商品を用意するだけでなく商品設定や配送作業を見直さなければいけません。
ファイブスプリングスでは商品のギフト化提案をはじめ、分析~戦略立案~実行まで一貫してサポートするコンサルティングサービスをご提供しています。
「ギフト対応したいが何から始めたらいいかわからない」「ギフト商品のためのページ作りを手伝ってほしい」とお悩みの方は、ぜひ一度お問い合わせページからお気軽にご相談ください。
太田 薫(おおた かおる)
株式会社ファイブスプリングス 代表取締役
元楽天ECコンサルタント、その後楽天MVP獲得店舗の統括部長。 ■無料相談■ |