2023.08.24
こんにちは、ファイブスプリングスです。
ネットショップ経営者のみなさん、「入口商品」という言葉を聞いたことはありますか?
入口商品とは「お試し商品」などの初回でも買いやすい商品のことで、初回購入のハードルが高いECで売上を上げるために重要な役割を果たします。
ただし入口商品はあくまでもメイン商品を売るために展開するものであり、戦略的に販売しなければ売上アップにはつながりません。
そこで今回は入口商品について、その役割や目的から、販売時のポイントや具体的な販売パターンまで解説します。
売れる入口商品の作り方についてもあわせて解説するため、入口商品を戦略的・効果的に販売したい方はぜひ最後までご覧ください。
【本記事でわかること】
◎入口商品戦略のポイント
◎入口商品の販売パターン
◎売れる入口商品の作り方
目次
入口商品とは
入口商品(またはフロントエンド商品)とは、購入ハードルを低く設定した「初めてでも買いやすい商品」のことです。
「食品のお試しセット商品」や「化粧品のトライアル商品」などが、入口商品の代表的な例としてあげられます。
ネットショップでは商品を手に取って確かめられないため初回購入のハードルが高くなりがちですが、少量・低価格など試してみやすい商品を用意しておくことで初回購入のきっかけをつくることができます。
さらに入口商品での初回購入から2回目購入、3回目購入…とリピーター化させることで、継続的な売上アップにつなげることが可能です。
このように入口商品はネットショップにおいて新規顧客獲得の非常に有効な手段であり、文字通りECで売上を上げていくための入口となる商品といえます。
入口商品戦略のポイント
初回購入から継続的な販売への流れを作る入口商品ですが、ただ少量や低価格の商品を用意するだけでは売上アップにはつながりません。
入口商品はメイン商品の販売につなげることで利益を生むことを想定したマーケティング戦略であり、入口商品自体を売り出すことを目的とはしていないためです。
この点を理解せずに単に少量や低価格の商品を用意してしまうと、「入口商品は売れるが本命のメイン商品に繋がらない」「入口商品だけ売れるため利益が出ない」といった状態に陥ってしまいます。
こういった事態を回避して入口商品で成功するためには、顧客にとって買いやすいだけでなく店舗にとっても本命のメイン商品に繋げやすい商品となるように入口商品を設計する必要があります。
入口商品の3つのパターン
入口商品の成功条件を押さえたところで、具体的な入口商品のパターンについても見ていきましょう。
入口商品には、主に以下3つのパターンがあります。
1.お試し商品
入口商品の最も代表的なパターンが、商品を少量購入できるお試し商品(トライアル商品)です。
「お試しプチケーキセット」や「化粧品の7日間トライアルセット」などの商品が、お試し商品の具体的な例としてあげられます。
顧客にとっては低価格で少量または複数の商品を試せるため購入しやすく、店舗にとってもそのまま通常サイズへと誘導すれば良いためメイン商品への購入にも繋げやすい点が特徴です。
2.初回限定商品
初回限定で商品を安く購入できる初回限定商品も、入口商品パターンの1つです。
「初回限定送料無料」や「初回限定半額」などの商品が、初回限定商品の具体的な例としてあげられます。
こちらも顧客にとっては低価格で商品を試せるため購入されやすく、店舗にとってもそのまま同一商品へと誘導すれば良いため次回購入にも繋げやすい点が特徴です。
また初回限定のため「入口商品だけをリピートされてしまう」といった事態も回避できます。
3.初心者セット商品
何かを始める際に必要なものが一式揃った商品初心者セットも、入口商品として有効です。
「ギター初心者セット」や「キャンプ初心者セット」などの商品が、初心者セット商品の具体的な例としてあげられます。
顧客にとっては商品選定の負担がなくなるため購入しやすく、店舗にとってもアップセル(上位商品)やクロスセル(関連商品)へと繋げやすい点が特徴です。
【基本編】売れる入口商品の作るための3つのステップ
ここからは入口商品の具体的な作り方について見ていきましょう。
集客にも利益に繋がる入口商品を作るためには、以下の3ステップが必要です。
【STEP1】アクセスが多い商品を抽出する
まずは自店舗の商品の中で、アクセスが多い商品を入口商品の候補として抽出します。
アクセスが多いということは顧客からの関心が高いということであるため、買いやすい仕組みを作れば十分購入してもらえる可能性は生じます。
アクセスが多く転換率も高い商品がベストですが、アクセスが多く転換率が低い商品でも「顧客が興味を持った商品」に違いないため入口商品候補になります。
【STEP2】市場分析して商品を選定する
入口商品の候補を洗い出したら、市場のニーズや競合商品と照らし合わせながら入口商品を選定します。
具体的な分析方法としては、以下の2つが効果的です。
・検索キーワードから有効な販売方法を探る
候補となる入口商品がどのようなキーワードで検索されているかをチェックします。
例えば「『商品名 + お試し』で検索されていればお試し商品としてのニーズがある」など、効果的な入口商品の方向性が判断できます。
・競合商品から売れている商品の特徴を探る
競合となる入口商品がどのように売れているかをチェックします。
競合商品の販売ページを確認することで、お試し商品として顧客に好まれるための条件(価格や量など)を検討できます。
このように顧客のニーズや競合の分析をおこない、候補の中から実現可能で利益に繋がる商品を入口商品として選定しましょう。
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【STEP3】入口商品として設計する
入口商品にする商品を決めたら、最後に入口商品としての商品設計を本格的に詰めていきます。
以下をチェック項目として、集客だけでなく利益に繋がる入口商品となっているかを確認しましょう。
・顧客にとって買いやすく欲しい商品となっているか
その商品にはニーズがあり、価格や量、選びやすさなど商品を買いやすくなる仕組みや競合に対する優位性がありますか?
・メイン商品の購入へと繋がる商品となっているか
その商品だけが売れるのではなく、その商品を売ることでメイン商品や関連商品を購入してもらえますか?
・十分な在庫があり継続的に販売できるか
その商品を継続的に販売できるだけの、在庫や価格、コスト設定になっていますか?
【実践編】入口商品で成功するための4つのポイント
入口商品の基本的な作り方を押さえたところで、実践編としてより成功するためのポイントも見ていきましょう。
入口商品を販売する際は、以下の4つを意識するとより効果的です。
複数の入口商品を用意する
入口商品は1つに絞る必要はなく、複数用意できればより効果的です。
顧客にとっても「買いやすい商品」の選択肢が増えるため、集客アップや転換率アップにつながります。
メイン商品の販売に繋がりそうな商品が複数ある場合は、積極的に入口商品にできないか検討してみましょう。
「セット商品の組み合わせパターンを複数用意する」「お試し商品の容量パターンを複数用意する」など、同じ商品数で複数のパターンを用意することも有効です。
入口商品の内容を随時変更する
入口商品は一度作って終わりではなく、ニーズや売り出したい商品に応じて追加・変更するとより効果的です。
入口商品の内容を随時変更することで、顧客を飽きさせずにより多くの商品をアピールすることができます。
例えばファッションの店舗の場合、「春夏はタンクトップ、秋冬はタイツ」のように入口商品の内容を変えることで、季節ごとのニーズに合った入口商品を販売できます。
このようにニーズに合わせて入口商品の内容を柔軟に変えられれば、入口商品を通して安定的に新規顧客を獲得することが可能です。
型番商品はサービスに注力する
型番商品(他の店舗でも販売されている商品)で入口商品を作る場合は、自店舗で購入するメリットをいかにアピールできるかがポイントとなります。
型番商品の場合、「同じ商品を買うならよりオトクに買いたい」という顧客の心理が強く働くためです。
商品自体の価格や内容量を変えることは難しいため、以下の点で他店舗と勝負しましょう。
・特典
ポイント付与、クーポン、おまけ
・配送
送料無料、即日・翌日配送
・保証
品質保証、故障保証、返金保証
・顧客対応
カスタマーサービス、設置・回収サービス
リピーター対策を忘れない
入口商品は販売して終わりではなく、メイン商品の購入に繋がるように必ずリピーター対策をおこないましょう。
次回購入を促す方法としては、以下の3つが有効です。
・同梱物
挨拶状やカタログを同梱することで、店舗や商品に興味を持ってもらいましょう。
・クーポン
次回使える割引クーポンを発行することで、メイン商品を購入しやすくしましょう。
・メルマガ
フォローメールを送ることで、購入への感謝を伝えつつメイン商品をアピールしましょう。
リピーター対策については、以下の記事で解説しています。
リピーター獲得・育成のメリットから具体的な方法まで詳しく解説しているため、ぜひあわせてご確認ください。
(楽天出店者向けの記事ですが、EC全般で応用できます。)
入口商品とは:まとめ
今回は入口商品について、その役割や目的から、販売時のポイントや具体的な販売パターン、売れる入口商品の作り方まで解説しました。
新規顧客を獲得しメイン商品の販売へと繋げる入口商品ですが、しっかりと利益を生み出すためにはマーケティング戦略としての理解と市場・競合分析に基づいて商品設計をおこなう必要があります。
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太田 薫(おおた かおる)
株式会社ファイブスプリングス 代表取締役
元楽天ECコンサルタント、その後楽天MVP獲得店舗の統括部長。 ■無料相談■ |