2022.08.24
こんにちは、ファイブスプリングスです。
高いポイント還元率でオトクに買い物ができるとして楽天ユーザーに人気の楽天スーパーDEALですが、店舗にとっても顧客獲得や販売力強化につながる強力なサービスです。
利益率に注意しながら戦略的に運用することで、利益を確保しながら高い集客効果が得られます。
そこで今回は楽天スーパーDEALについて、エントリー方法をはじめとした設定方法から効果的な活用方法、知っておきたい注意点まで解説します。
集客手段としての特徴や負担しなければならない費用についても解説するため、楽天スーパーDEALを活用して集客力・販売力を強化したい方はぜひ最後までご覧ください。
【本記事でわかること】
◎楽天スーパーDEALの特徴と必要な費用
◎楽天スーパーDEALの活用方法と効果的に運用するためのコツ
◎エントリー方法や入稿方法の具体的な作成手順(操作手順の画像つき)
目次
楽天スーパーDEALとは
楽天スーパーDEAL(楽天スーパーディール)とは、楽天会員を対象に購入金額の一部を10%~50%の高い還元率でポイントバックするサービスです。
通常の1%還元と比べると非常に高い還元率であるほか、スーパーDEAL対象商品として強力な導線が用意されるため、訴求力向上に非常に有効なサービスといえます。
売りである高還元率のポイントは店舗が負担する必要がありますが、商品が購入された場合のみ広告費が発生するため無駄なコストがかかる心配はありません。
対象商品は楽天スーパーDEALのトップページや専用ページで掲載されるほか、検索した際に「スーパーDEAL」というアイコン付きで表示されるため訴求力が高まります。
▼楽天スーパーDEALの掲載例
まずは楽天スーパーDEALについて、以下3つの項目をさらに詳しく解説します。
楽天スーパーDEALの特徴
楽天スーパーDEALには、以下のような特徴があります。
【楽天スーパーDEALの特徴】
〉対象商品に10~50%の高還元率ポイントを付与するサービス
〉商品が購入された場合のみ広告費が発生するため無駄なコストがかからない
〉楽天ユーザーにとってのメリットも大きいため購買意欲の高い優良顧客獲得に有効
〉商品自体の価格は下げないためブランド力を維持しながら訴求力の向上が可能
〉掲載箇所・掲載期間・還元率が異なる2つの掲載枠から選択が可能
〉R-Karteを用いた効果測定が可能
以上の特徴から楽天スーパーDEALは、ある程度のコストを支払っても短期間で集客力や販売力・訴求力を高めたい方におすすめです。
楽天スーパーDEALにかかる料金
楽天スーパーDEALの掲載料金は、以下の式で計算されます。
広告掲載料金
楽天スーパーDEALの対象商品が購入された際に、広告掲載料金として商品価格(税込)の10%を店舗が支払う必要があります。
例えば11,000円(税込)の商品を楽天スーパーDEALの対象商品としていた場合、広告掲載料金はポイント還元率にかかわらず商品価格の10%である1,100円となります。
商品価格 × 10% = 広告掲載料金
例)対象商品が11,000円(税込)の場合
11,000円 × 10% = 1,100円
※クーポン利用額分は商品価格から差し引かれるほか、送料や代引き手数料、ラッピングといった商品本体以外の料金は含まれません。
ポイント原資
商品価格(税抜)にポイント還元率を乗じたポイント分は、ポイント原資として店舗が負担する必要があります。
例えば10,000円(税抜)の商品を30%のポイント還元率で楽天スーパーDEALの対象商品としていた場合、ポイント原資は商品価格にポイント還元率の30%を乗じた3,000円となります。
商品価格 × ポイント還元率(10~50%) = ポイント原資
例)対象商品が10,000円(税抜)、ポイント還元率が30%の場合
10,000円 × 30% = 3,000円
先ほどの広告掲載料金とあわせて考えると、10,000円(税抜)の商品を30%のポイント還元率で楽天スーパーDEALの対象商品としていた場合にかかる掲載料金は以下のとおりです。
例)対象商品が10,000円(税抜)、ポイント還元率が30%の場合
1,100円 + 3,000円 = 4,100円
楽天スーパーDEALで選べる2つの掲載枠
楽天スーパーDEALには、「サーチ枠」と「広告掲載枠」の2つの掲載枠が用意されています。
それぞれ以下のように掲載箇所や還元率などが異なるため、予算や目的に合った掲載枠を選ぶことがポイントです。
サーチ枠
サーチ枠では、対象商品が検索結果でスーパーDEAL対象アイテムとして強調表示されます。
以下の特徴から、楽天スーパーDEALを手軽かつ自由に始めたい場合におすすめです。
【サーチ枠の特徴】
・1商品から掲載可能
・ポイント還元率を5%単位で設定可能(10~50%)
・掲載期間を1日~2週間で自由に設定可能
また「スーパーDEAL対象」の絞り込みもあるほか、「おすすめのスーパーDEAL商品」や「DEAL売れ筋ランキング」「お知らせ枠」などさまざまな集客導線での露出が見込めます。
広告掲載枠
広告掲載枠では、サーチ枠の強調表示に加えてさらに楽天スーパーDEAL独自の強力な集客導線が用意されています。
以下の特徴から、ある程度時間的・金銭的なコストをかけても楽天スーパーDEALを本格的に運用したい方におすすめです。
【広告掲載枠の特徴】
・エントリーには21~60商品が必要
・ポイント還元率を10%単位で設定可能(20~50%)
・掲載期間は楽天開催イベント期間中の24時間(時間限定枠)または2週間(タイアップ枠)
・楽天市場トップやDEALトップで「○%ポイントバック」のラベル付きで商品掲載
・店舗専用LPで複数商品の訴求が可能(タイアップ枠)
24時間限定商品として掲載される「時間限定枠」では楽天市場トップやDEALトップに商品が掲載されるほか、注目ブランドとして掲載される「タイアップ枠」では店舗専用のLPが用意されます。
▼時間限定枠で「今だけ!24時間限定アイテム」として掲載された場合
▼タイアップ枠で「注目のブランド」として掲載された場合
楽天スーパーDEALの設定方法
楽天スーパーDEALへは、以下の流れで商品を掲載できます。
(※サーチ枠の場合、原稿入稿・原稿審査はありません。)
ここでは楽天スーパーDEALの設定方法として、以下3つの手順をわかりやすく解説します。
【楽天スーパーDEALの設定方法】
※以下手順は執筆(2022年8月)時点での情報です。詳細については以下の楽天公式ページをご確認ください。
(閲覧にはRMSへのログインが必要です。ログイン後に下記URLをクリックしてください。)
店舗運営Navi [楽天スーパーDEAL] 概要・掲載上のご注意
RMSトップページ下部の「店舗運営Navi」>「広告・販促・分析」>「メルマガ配信 R-Mail」からでも確認できます。
エントリー方法
1.RMSの「店舗設定」から「1 商品管理」をクリックします。
2.[3]イベント申請内の「スーパーDEAL」ボタンをクリックします。
3.「新規エントリー」ボタンをクリックします。
4.「スーパーDEAL エントリー」画面が表示されたら、各項目を選択または確認して「確認」ボタンをクリックします。
【エントリー企画】
希望の掲載枠を選択します。
エントリーできる広告掲載枠は時期によって異なるほか、サーチ枠の場合は掲載期間の指定が必要です。
【エントリー用CSV】
エントリー商品の一覧をCSVファイル形式でアップロードします。
ファイルの作成方法については、後ほど「エントリー用CSVの作成方法」で詳しく解説します。
【楽天スーパーDEAL広告規約】
規約を確認し、同意する場合は「上記の規約に同意します。」にチェックを入れます。
5.エントリー内容を確認して、間違いがなければ「エントリー」ボタンをクリックします。
エントリー用CSVの作成方法
1.スーパーDEALのエントリー画面から、「エントリー用CSVフォーマット」をダウンロードします。
2.エントリー商品一覧を記載するためのCSVフォーマット(エクセル)がダウンロードされるため、開いて各項目を入力します。
・mng_num[入力必須]
各商品の商品管理番号を入力します。
ここに入力された番号の商品ページが楽天スーパーDEALの対象となります。
・original_mng_num[入力必須]
各商品のコピー元商品管理番号を入力します。
通常の販売ページをそのまま利用する場合は、「mng_num」と同じ内容を入力します。
・point_rate[入力必須]
各商品のポイント還元率を入力します。
サーチ枠の場合:10, 15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50
広告掲載枠の場合:20, 30, 40, 50
・brand_name
各商品のブランド名を入力します。
タイアップ枠で複数商品がひとまとめに掲載される場合などに使用されます。
・planned_inventory_count
各商品の予定在庫数を入力します。
限定商品かどうかの判断などに利用されるだけのため、販売予定個数を入力すれば問題ありません。
審査状況の確認方法
1.楽天スーパーDEALの審査状況は、「スーパーDEAL エントリー企画一覧」の「状況」欄から確認できます。
エントリー当日などの審査期間前、商品ページがリンク切れの場合は「未審査」となりますが、審査期間に入ると「確認可」のステータスに代わります。
2.「エントリー企画」欄から各エントリーをクリックすると、エントリーした商品ごとの審査状況が確認できます。
審査の流れと「審査結果」欄の表示内容は以下のとおりです。
広告掲載枠の入稿方法
広告掲載枠の入稿作業は、通常の広告と同様RMSのプロモーションメニューからおこないます。
1.RMSの「広告・アフィリエイト・楽天大学」から「1 広告(プロモーションメニュー)」をクリックします。
2.「楽天市場広告」ボタンをクリックします。
3.「入稿・修正依頼確認」タブで、入稿する枠を探して「選択する」ボタンをクリックします。
4.原稿入力の画面が表示されたら、各項目を入力または選択して「入力内容を確認」ボタンをクリックします。
それぞれ記載されている制約に沿う形で入力または選択しましょう。
楽天スーパーDEALの活用方法
楽天スーパーDEALの効果を最大限得るための活用方法として、今回は以下の4つをご紹介します。
掲載期間を戦略的に設定して訴求力を高める
楽天スーパーDEALでは掲載期間をある程度設定できるため、戦略的な掲載期間設定が訴求力向上のポイントになります。
ユーザー心理を考えて、「ユーザーにとってオトクなタイミングで掲載期間を設定する」ようにしましょう。
以下のようなイベントに合わせて掲載期間を設定すると、購買意欲が高いユーザーが集まり高い転換率が見込めます。
【高い転換率が見込めるタイミング】
・お買い物マラソン
ショップ買いまわりでポイント倍率が増えるイベント
12月を除く毎月、1~2回開催
・楽天スーパーSALE
ショップ買いまわりでポイント倍率が増えるイベント
3月・6月・9月・12月の年4回、いずれも4日~11日の1週間開催
・5と0のつく日
ポイントが5倍になるイベント
毎月5日・10日・15日・20日・25日・30日に開催
・楽天ワンダフルデー
ポイントが2倍または3倍になるイベント
毎月1日に開催
・ご愛顧感謝デー
ゴールド会員以上限定で、会員ランクに応じてポイントが2~4倍になるイベント
毎月18日に開催
…など
これらのイベントに合わせた楽天スーパーDEAL商品の購入は、ユーザー向けに楽天市場でのお買い物方法を解説しているウェブサイトでもよく推奨されています。
スーパーDEALの利用者には楽天でオトクにお買い物する関心が強いユーザーが多いため、上記のようなユーザー心理を読んで掲載期間を設定しましょう。
専用検索ページ経由の掲載で競合を大幅に削減する
楽天スーパーDEALの専用検索ページはオトクな商品を探すユーザーにとって非常に便利ですが、店舗にとっても競合商品が大幅に減るという大きなメリットがあります。
例えば「お菓子」というキーワードで検索した場合、通常の楽天市場での検索結果は840,050件ですが、スーパーDEAL専用検索ページでの検索結果は1,379件です。
こちらの例では件数でいうと838,671件、割合でいうと約99.8%の競合が削減されていることがわかります。
他のキーワードでも同様の結果・効果が得られることが多いため、一度それぞれの検索ページ(楽天市場トップ/楽天スーパーDEALトップ)から狙いたいキーワードを入れて効果を予測してみましょう。
「R-Karte」を活用して効果測定をおこなう
楽天スーパーDEALの各データは、RMSの分析ツールである「R-Karte(アールカルテ)」から確認できます。
R-Karteでは売上金額・件数をはじめ、アクセス人数や転換率のほか、新規・リピート別での購入者数など、さまざまなデータが確認可能です。
「アクセス人数が悪い場合はポイント還元率を引き上げる」「転換率が悪い場合は掲載期間をイベントに合わせる」など、効果測定結果に合わせて改善案を検討しましょう。
なお楽天スーパーDEALの各データは、以下の手順で確認できます。
▼「R-Karte」で楽天スーパーDEALの各データを確認する方法
1.RMSの「データ分析」から「6 データダウンロード」をクリックします。
2.データ種類で「店舗データ」を選択し、期間選択をおこなったら「CSVダウンロード」ボタンをクリックします。
3.CSVファイル(エクセル)がダウンロードされるため、開いて各データを確認します。
楽天スーパーDEALの各データは、56~65列目に記載されています。
スーパーDEALの効果を長期的な視点で考える
楽天スーパーDEALは負担しなければならない金額の大きさが1つのネックですが、単純に利益率だけで考えるのではなく、少し視野を広げてメリットについて考えることも重要です。
例えば、スーパーDEALを通じてオトクな店舗として認識してもらえることで購買意欲が高い優良顧客を獲得できる点に注目してみましょう。
スーパーDEAL経由で商品を購入してもらえるとユーザーのメールアドレスや属性といった情報が手に入るため、「メールマガジンを配信する」「ターゲティングの参考にする」など、今後につながる戦略も展開できます。
このように楽天スーパーDEALのメリットは商品販売に留まらないため、目的(販売か集客か)を明確にして長期的・戦略的に運用しましょう。
【関連記事をチェック!】
楽天のメールマガジン「R-Mail」とターゲティングができる広告「ターゲティングディスプレイ広告」については、以下の記事で解説しています。
それぞれ設定方法や活用方法、運用のコツや注意点まで詳しく解説しているため、ぜひあわせてご覧ください。
楽天スーパーDEALに関するよくある質問
最後に楽天スーパーDEALに関するよくある質問として、以下の3つにお答えします。
楽天スーパーDEALはどんな人におすすめ?
楽天スーパーDEALは、以下のような人におすすめです。
【楽天スーパーDEALがおすすめな人】
〉商品の露出・販売力を強化したい
〉完全成果報酬型で無駄のない集客をおこないたい
〉購買意欲が高い優良顧客を集客したい
〉専用検索ページを用いて少ない競合の中で販売したい
〉商品価格を保ったままポイント扱いで値引きしたい
また、楽天スーパーDEALには以下のような商品がおすすめです。
【楽天スーパーDEALがおすすめな商品】
〉通常販売が難しい滞留在庫品
〉利益率を確保しやすい自社商品
〉アクセスを集めづらいニッチな商品
〉ポイントの多さが伝わりやすい高単価商品
〉ブランドイメージを保ちつつオトクに販売できるブランド品
楽天スーパーDEALの審査を通過するためのコツは?
楽天スーパーDEALには広告掲載数に限りがあるため商品審査がありますが、残念ながら掲載商品の選定基準については公開されていません。
ただし以下の場合に掲載対象から外されることは分かっているため、以下に該当しないように注意しましょう。
【楽天スーパーDEALの掲載対象から外される例】
〉商品価格が20円未満の場合
〉中古商品や倉庫商品、通常販売かご以外の商品の場合
〉前回のDEALから連続での申し込みではないこと
〉闇市パスワードが設定されている場合
〉不当に価格が吊り上げられている場合
〉在庫がない、または掲載価格での販売実績が充分でない場合
※「当店通常価格」の販売期間を目安にしましょう。直近で価格を上げているなどは不合格になります。
楽天スーパーDEALの注意点は?
楽天スーパーDEALを運用する際は、以下の点に注意しましょう。
〉コストと利益率をしっかりと計算する
楽天スーパーDEALでは広告掲載料とポイント原資に加えて、通常かかる販売手数料や決済手数料も必要です。
目的にもよりますが、「販売できたが利益が上がらない」という状況にならないよう注意しましょう。
〉広告掲載枠にはキャンペーン2週間前までのエントリーが必要
広告掲載枠には商品審査に加えて原稿入稿や原稿審査が必要なため、キャンペーン開催の約2週間前までのエントリーが求められます。
実際に商品数が多いと入稿作業にも時間を要するため、余裕を持ってエントリーをおこないましょう。
〉さまざまな禁止事項がある
楽天スーパーDEALには以下のような禁止事項があり、違反すると掲載が中止される場合があります。
・商品審査後に商品価格を変更すること
・掲載終了直後に大幅な値引きをおこなうこと
・同一期間に同一商品を重複エントリーすること
・商品名に「楽天スーパーDEAL」「○%ポイントバック」と記載すること
・楽天スーパーDEAL開催期間外に、キャッチコピーや説明文に「楽天スーパーDEAL」「○%ポイントバック」と記載すること
〉掲載開始時刻・終了時刻は指定できない
掲載期間はある程度自由に指定できますが、開始時刻はAM10:00、終了時刻はAM9:59と決まっています。
楽天スーパーDEAL:まとめ
今回は楽天スーパーDEALについて、エントリー方法をはじめとした設定方法から効果的な活用方法、知っておきたい注意点まで解説しました。
集客力・販売力強化に非常に有効な楽天スーパーDEALですが、利益率の確保や掲載期間の指定など戦略的に運用する必要があります。
ファイブスプリングスでは今回ご紹介した設定の代行や、分析~戦略立案~実行まで一貫してサポートするコンサルティングサービスをご提供しています。
「楽天スーパーDEALに商品を掲載したい」「ポイント還元率や掲載期間の設定で悩んでいる」という方は、ぜひ一度お問い合わせページからお気軽にご相談ください。
太田 薫(おおた かおる)
株式会社ファイブスプリングス 代表取締役
元楽天ECコンサルタント、その後楽天MVP獲得店舗の統括部長。 ■無料相談■ |