2023.11.17
こんにちは、ファイブスプリングスです。
Amazonや楽天市場と並ぶ日本国内で有力なECモールの1つに、Yahoo!ショッピングがあります。
初期費用や月額固定費がかからず参入しやすいことでも有名なYahoo!ショッピングですが、実際に出店する方法や流れについてはイマイチ分からないという方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回はYahoo!ショッピングの出店・開設方法として、出店の流れから出店にかかる費用、審査落ちする場合の理由や対処法まで解説します。
ECモールとしてのメリットやデメリットもあわせて解説するため、Yahoo!ショッピングへの出店を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
【本記事でわかること】
◎Yahoo!ショッピング出店に必要な手順と費用
◎Yahoo!ショッピングのメリットとデメリット
◎Yahoo!ショッピングの出店審査に落ちる理由と対処法
目次
Yahoo!ショッピング出店の流れ
Yahoo!ショッピングに出店する流れとしては、大まかに以下の3STEPに分けられます。
なお出店にかかる日数の目安としては、「申し込み~ストアOPEN(STEP2~STEP3)」だけでも1か月半程度かかるとされています。
事前準備(STEP1)を含めると更に日数が必要となるため、開店予定日から逆算して十分な日数を確保しましょう。
【Yahoo!ショッピング出店の流れ】 |
【STEP1】必要情報を準備する
【STEP2】出店審査を受ける 【STEP3】開店審査を受ける |
【STEP1】必要情報を準備する
Yahoo!ショッピングの出店には、以下7つの情報・書類が必要です。
各種申請作業をスムーズに進めるために、可能な限り事前に準備しましょう。
【Yahoo!ショッピングの出店に必要な情報・書類】 |
①Yahoo! JAPAN ID ②クレジットカード情報 ③会社情報 ④代表者情報 ⑤銀行口座情報 ⑥提出用本人確認書類 ⑦出店予定商材情報 |
・Yahoo!ショッピング公式「お申し込みの前に」ページ(お申し込みに必要な情報)
・Yahoo!ショッピング公式「本人確認書類提出に関するご案内」ページ
なお以下の商材を取り扱う際は、上記に加えて免許・許可証の提示や別途審査が必要になります。
【免許・許可証の提示や別途審査が必要な商材】 |
・古物(中古品) ・アルコール酒類全般 ・医薬品 ・コンタクトレンズ ・レンタル商材 ・役務、サービス商材 ・ブランド品 |
・Yahoo!ショッピング公式「お申し込みの前に」ページ(お取り扱い商材により必要な免許および情報)
【STEP2】出店審査を受ける
必要な情報や書類を揃えたら、「Yahoo!ショッピングストア契約を結べるかどうか」を審査する出店審査を受けます。
出店審査の申請では、「申し込みフォーム」ページから以下の内容を入力します。
【出店審査の申し込みフォームで入力する内容】 |
・会社情報 ・代表者情報 ・管理者情報 ・決済情報 ・受取口座情報 ・ストア情報 ・LINE公式アカウントの申し込み情報 ・出品予定商材情報 ・認証情報 |
申し込みが完了したら通常2週間程度で審査結果が通知され、問題がなければ出店契約成立となります。
商材によってはさらに時間がかかる場合もあるため、許可証などが必要となる商材を取り扱う際は特に余裕を持って申し込みましょう。
【STEP3】開店審査を受ける
出店審査を通過したら、続けて「開店に必要な項目が正しく設定されているか」を審査する開店審査を受けます。
開店審査の申請では、Yahoo!ショッピングのストア運営ツールである「ストアクリエイターPro」を使って以下のような設定をおこないます。
【開店審査に必要なストアクリエイターProでの設定】 |
・ストア情報設定 ・支払い方法設定 ・配送方法設定 ・返品、交換、保証設定 ・プライバシーポリシー設定 ・ストアページ、商品ページ設定 …など |
※閲覧にはストアクリエイターProへのログインが必要です。ログイン後テキストリンクをクリックしてください。
申し込みが完了したら通常2~5営業日程度で審査結果が通知され、問題がなければ無事ストアOPENとなります。
こちらも商材によってはさらに時間がかかる場合もあるほか、設定自体にある程度の時間を要する(Yahoo!公式の目安で約3週間)ため余裕を持って取り掛かりましょう。
【開店審査には期限があるため注意!】
開店審査の通過には、「出店契約成立日より1ヵ月以内」という期限が存在します。
期限を過ぎてしまうとストア契約自体が取り消されてしまうため、必ず期限内に審査通過できるよう注意しましょう。
Yahoo!ショッピング出店にかかる費用
Yahoo!ショッピングを出店した際にかかる費用は、以下の通りです。
【Yahoo!ショッピング出店にかかる費用】 |
初期費用 | 無料 |
月額システム利用料 | 無料 |
売上ロイヤリティ | 無料 |
ストアポイント原資負担 | 1%~15% |
キャンペーン原資負担 | 1.5% |
アフィリエイトパートナー報酬 | 1%~50% |
アフィリエイト手数料 | アフィリエイトパートナー報酬の30% |
ストア決済サービス手数料 | 決済金額の3.0%~4.48% または 150円~300円 (※決済方法により異なる) |
Yahoo!ショッピング出店費用の特徴としては、Amazonや楽天市場と異なり初期費用・月額システム利用料・売上ロイヤリティが一切無料である点があげられます。
出店に際して費用がかかったり出店しているだけで月々費用がかかったりすることはなく、あくまで商品が販売された際にのみ原資負担や手数料が発生するという仕組みになっています。
月商やポイント付与率などを想定して月々かかる費用目安を計算する「月額費用シミュレーション」も用意されているため、出店前に一度試算してみると良いでしょう。
Yahoo!ショッピング出店のメリットとデメリット
ここからはYahoo!ショッピングで出店するメリットとデメリットについて、他のECモールとの比較も交えながら解説します。
Yahoo!ショッピングでの出店には、それぞれ以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット |
〉ローコスト・ローリスクで始められる | 〉出店数が多く競争が激しい |
国内3大ECモール(Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピング)の比較については、以下の記事で詳しく解説しています。
流通総額・利用者・出店数の比較をはじめ、各モールの特徴や売れるための戦略、2023年おすすめのECモールまで解説しているため、ぜひあわせてご確認ください。
【メリット①】ローコスト・ローリスクで始められる
Yahoo!ショッピングに出店する最大のメリットとしては、やはりローコスト・ローリスクでECモールを始められる点があげられます。
初期費用や月額固定費がなく必要な費用は商品が売れた時に発生する原資負担や手数料のみのため、無料で出店できる上に売上が立つまでコストが発生することもありません。
出店や出品自体にかかるコストを低く抑えられるため価格競争力の強化や広告運用に予算を割くことも可能なほか、サブのECモールとして展開することも可能です。
【メリット②】豊富な流入経路で多角的な集客が見込める
Yahoo!ショッピング内の検索だけでなく外部のさまざまな経路から多様な集客が見込めることも、Yahoo!ショッピングに出店するメリットの1つといえます。
具体的にはYahoo!JAPANをはじめ、LINEやPayPay、ソフトバンクなど、グループ企業のさまざまなサービスからの流入経路が用意されています。
連携しているサービス1つ1つが性質の異なる大きな顧客を有しているため、ECモールの運用だけでは通常接触できない顧客層にまでアプローチすることが可能です。
【メリット③】外部リンクを使ったマーケティングができる
Yahoo!ショッピングで出店するメリットとして、楽天市場やAmazonと異なり自社サイトやSNS、他モールなどの外部リンク掲載が可能であることも知っておきましょう。
Yahoo!ショッピングを入口として販売方法が自由な自社サイトへ誘導したりSNSでリピーター施策をおこなったりするなど、より広くより柔軟にモールを運用することが可能です。
ただし外部リンクはクリック時に警告画面が表示されるため、ユーザーによっては警戒されてしまう可能性がある点には注意が必要です。
【デメリット①】出店数が多く競争が激しい
ローコスト・ローリスクで参入障壁が低い分、他のモールに比べて出店数が非常に多く競争が激しい点には注意が必要です。
2023年6月時点で楽天市場が公表しているデータによると、楽天市場の約5.7万店舗、Amazonの約17.8万店舗に対してYahoo!ショッピングは約120万店舗という圧倒的な出店店舗数となっています。
出店店舗数が多いとそれだけユーザーの目に触れることも難しくなるため、出店のハードルが低い一方で売れることが難しいモールともいえるでしょう。
【デメリット②】上位表示されるための条件が厳しい
競争率の高さに関連して、Yahoo!ショッピングは商品が検索結果で上位表示されるための条件が厳しい点にも注意が必要です。
Yahoo!ショッピングの検索では「優良ストア」や「優良配送」の商品が上位表示されるようになっており、これらの認定を受けるためには配送品質やストア品質に関する一定の品質基準をクリアしなければいけません。
このためYahoo!ショッピングで多くのユーザーに商品を知ってもらうためには、激しい競争を勝ち抜きながら厳しい品質基準をクリアする必要があります。
【デメリット③】ECモールとしての規模は小さめ
多様な流入経路による集客が期待できるYahoo!ショッピングですが、ECモールの規模はとしてはAmazonや楽天市場に比べて小さめであることは知っておきましょう。
Yahoo!ショッピングは圧倒的な出店店舗数を誇る一方、流通総額や利用者数ではAmazonや楽天市場に大きくリードされている状況です。
Amazonや楽天市場と比べて少ない売上・顧客を多くの店舗で取り合っている状況ともいえるため、出店コストがかからないとはいえ利益が出やすい環境かどうかはよくよく考える必要があります。
Yahoo!ショッピング出店に関するよくある質問
最後にYahoo!ショッピング出店に関するよくある質問として、以下の3つにお答えします。
【Yahoo!ショッピング出店に関するよくある質問】 |
〉個人でも出店できる? |
個人でも出店できる?
Yahoo!ショッピングへの出店は、個人名義では不可ですが個人事業主では可能です。
個人事業主として出店する場合は公的身分証のほか開業届などが必要となるため、「本人確認書類提出に関するご案内」ページを確認しながら手続きを進めましょう。
なお出店後は会社概要ページにて、個人事業主としての氏名や住所、連絡先などを開示する必要があります。
Yahoo!ショッピングのサポート体制は?
Yahoo!ショッピングでの出店・運用に際しては、電話やメール、チャットによるサポートを受けることが可能です。
サポートは申し込み前から開店準備、開店後まで受けることができ、有人でのサポートのほか24時間365日対応のAIによるサポートも用意されています。
また運用ノウハウを学べる動画・ブログコンテンツや運用状況を確認できる分析ツールも用意されているため、効果的・効率的にECモールでの店舗運営をおこなうことができるでしょう。
審査に落ちる理由・審査落ちの際の対処法は?
Yahoo!ショッピング出店の審査基準は非公開となっていますが、審査に落ちてしまう場合は以下のような理由が考えられます。
【Yahoo!ショッピング出店でよくある審査落ちの理由】 |
× 申し込みフォームの入力情報間違い × 提出書類の種類や状態、有効期限の不備 × 申し込み内容と提出書類の情報不一致 × 開店申請の設定漏れ、設定間違い × 審査期間中の連絡、郵便物の不受理 …など |
Yahoo!ショッピングの出店・開店審査はそこまで厳しくないため、審査に落ちるとすれば情報入力や書類提出などの不備がまず考えられます。
このため審査に落ちてしまった場合は、申請内容を修正して再度申請することが最も基本的な対処法となります。
入力情報や提出書類は条件や有効期限、提出方法などが細かく指定されているため、以下のページをよく確認しながら誤りがないか再度チェックしましょう。
【Yahoo!ショッピングの出店審査に落ちた際にチェックすべきページ】 |
出店審査の入力内容 | ・「お申し込みの前に」ページ |
出店審査の提出書類 | ・「本人確認書類提出に関するご案内」ページ |
開店審査の入力内容 | ・「開店までのステップ」ページ ・「開店前のQ&A」ページ ※閲覧にはストアクリエイターProへのログインが必要です。 ログイン後テキストリンクをクリックしてください。 |
Yahoo!ショッピングの出店・開設方法:まとめ
今回はYahoo!ショッピングについて、出店の流れや出店にかかる費用をはじめ、審査落ちする場合の理由や対処法、そしてECモールとしてのメリットやデメリットまで解説しました。
初期費用がかからず法人・個人事業主問わず出店しやすいYahoo!ショッピングですが、審査に落ちてしまったり長引いたりしてしまったりする場合もある点には注意が必要です。
ファイブスプリングスではYahoo!ショッピングの出店サポートをはじめ、分析~戦略立案~実行まで一貫してサポートするコンサルティングサービスをご提供しています。
「Yahoo!ショッピングの出店を手伝ってほしい」「Yahoo!ショッピングでの販売戦略を相談したい」という方は、ぜひ一度お問い合わせページからお気軽にご相談ください。
太田 薫(おおた かおる)
株式会社ファイブスプリングス 代表取締役
元楽天ECコンサルタント、その後楽天MVP獲得店舗の統括部長。 ■無料相談■ |