2023.06.21
こんにちは、ファイブスプリングスです。
発売日前に事前に注文を受け付ける予約販売は、ECにおいても売上や在庫のコントロールがしやすくなるなど多くのメリットを有しています。
実は楽天市場の場合、予約販売を上手く活用することで楽天ランキングに商品を掲載させることも可能です。
ただし予約販売をおこなうためにはRMSを使った商品設定が必要なほか、キャンセル時の対応など事前に知っておかなければならないことも少なくありません。
そこで今回は楽天での予約販売について、システム上の仕組みからメリットやデメリット、RMSを使った商品設定の方法までわかりやすく解説します。
楽天市場で予約販売を活用するためのポイントや販売延期・キャンセル時の対応方法などについてもくわしく解説するため、楽天市場で予約販売をトラブルなく活用したい方はぜひ最後までご覧ください。
【本記事でわかること】
◎楽天市場で予約販売を設定する方法
◎楽天市場での予約販売の活用ポイント
◎予約販売を変更・キャンセルする方法
目次
楽天の予約販売とは
予約販売とは、事前に予約申し込みを受け付けることで商品の発売日よりも前に注文として確定させる販売方法のことです。
在庫がある商品を販売して注文確定後すぐに商品を発送する通常商品の販売と異なり、予約販売では在庫がない商品も予約申し込みを受け付けて販売できます。
このため具体的な利用シーンとしては、発売前の新商品の注文を事前に受け付けるほか、一時的に在庫切れとなっている商品の注文を受け付ける場合にも有効です。
楽天市場のシステムでは、RMSから予約商品の登録をおこなうことで予約販売をおこなえます。
(RMS上の操作については、後ほど「楽天で予約販売を設定する方法」でくわしく解説します。)
ユーザーの予約申し込み後、注文確定日になると自動的に注文が確定し、その最大2週間後に商品を発送するという流れになります。
「お届け準備期間」は店舗側で1~14日の範囲で決めることができ、基本的にはユーザーが指定した「お届け希望日」から「お届け準備期間」を差し引いた日付が「注文確定日」となります。
申し込みの段階では支払いやポイント付与、システム利用料などは発生せず、注文確定日以降に注文管理画面で受注管理を始められるようになります。
予約販売のメリットとデメリット
楽天市場での予約販売の仕組みについて理解したところで、予約販売のメリットとデメリットについても押さえておきましょう。
楽天のようなECモールで予約販売をおこなう際は、主に以下のようなメリットやデメリットがあります。
メリット | デメリット |
〉機会損失を防止できる | 〉注文忘れやキャンセルのリスクがある |
【メリット①】機会損失を防止できる
予約販売をおこなうメリットとしては、まず機会損失を最大限防ぐことができる点があげられます。
先ほど予約販売は「一時在庫切れ商品の注文受け付け」に有効だとお話しましたが、在庫切れ商品を予約購入できる状態にしておくことでユーザーの購買意欲が下がったりほかの店舗へ流れてしまったりする損失リスクを抑えられます。
特に楽天市場のようなECモールでは他店舗に流れてしまうリスクがもともと高いため、在庫切れ時の予約販売のような工夫が顧客や売上を確保するためには非常に重要です。
またもう1つの利用例にあげた「発売前商品(新商品)の事前注文受け付け」についても、早い段階から商品のプロモーションや受注をおこなうことで販売機会を拡大できます。
母の日・父の日やクリスマスなど、季節のイベントに関する商品を取り扱う場合などは特に有効です。
【メリット②】在庫をコントロールできる
予約販売のメリットとしては、在庫をコントロールしやすい点もメリットとしてあげられます。
事前に受注数を把握できるため、在庫の過剰や不足を防いで効率的に在庫管理をおこなうことが可能です。
商品を過剰に仕入れたり生産したりする心配もなく廃棄ロスも減らせるため、受発注業務におけるコスト削減にもつながります。
【メリット③】繁忙期の作業負担を軽減できる
受発注業務の効率化に関していえば、繁忙期の作業負担を軽減できる点も予約販売のメリットといえます。
予約販売は通常商品の販売と異なり予約受け付けから商品の発送まで期間があるため、受注~発送までの作業を分散させることが可能です。
繁忙期が明確な季節のイベントに関する商品を取り扱う場合などは、特に有効といえるでしょう。
予約販売であれば受注作業と発送作業を別々の期間で余裕を持っておこなえるため、繁忙期に作業が集中することを防げるほかミス防止にもつながります。
【デメリット①】注文忘れやキャンセルのリスクがある
予約販売は予約受け付け~商品発送まで期間が空くため、ユーザーが注文を忘れてしまったりキャンセルになったりといったリスクがある点には注意が必要です。
「注文を忘れており配送時には住所が変わっていた」「買う気や金銭的な余裕がなくなってキャンセルの申し出があった」など、トラブルが発生する可能性があります。
このようなトラブルを回避するためには、「注文確定時や発送前などにメールでお知らせする」「あらかじめキャンセルに関する規定を設けておく」といった工夫が必要です。
【デメリット②】発売延期や発売中止のリスクがある
予約販売は、店舗側の都合で発売延期や発売中止になってしまうリスクがあることも知っておきましょう。
とくに仕入れ商品の場合は「メーカーの都合により入荷数量が制限される」など、商品を告知していた数量や期日で販売できない可能性があります。
予約商品は顧客をお待たせする分クレームにつながってしまうケースも少なくないため、事前に発売延期や発売中止の可能性と対応を周知しておくことでなるべくクレームを回避しましょう。
【デメリット③】楽天の各イベントの対象にならない
集客・売上アップのチャンスである楽天主催のイベントですが、残念ながら予約販売は楽天の各イベントの対象になりません。
例えばお買い物マラソンやスーパーSALEの場合、ショップ買いまわりの対象商品とはならないため注意しましょう。
またスーパーSALEサーチやスーパーDEALに関しても、エントリー自体は可能であるものの審査で不合格となります。
このように楽天主催イベントの対象品は基本的に通常商品のため、イベント時に予約商品を売り込むことは得策ではありません。
楽天で予約販売を設定する方法
ここでは楽天で予約販売を設定する方法について、画像付きで手順をくわしく解説します。
楽天で予約販売をおこなうためには、RMSで予約商品を登録してお届け準備期間を設定する必要があります。
予約商品を登録する
まずは通常商品の登録画面から、予約商品の登録をおこないます。
! | ここでは予約販売に必要な設定のみ解説しています。 基本の商品情報については、通常商品と同様に入力してください。 |
1.RMSの「商品一覧・登録」画面にアクセスします。
2.「通常商品の登録」ボタンをクリックします。
3.「注文情報」内にある「注文ボタン」の項目で、「予約ボタンをつける」にチェックを入れて「予約発売日」を設定します。
(予約発売日は、365日以内の日付が指定可能です。)
4.「販売期間指定」の項目で、「販売開始日時」と「販売終了日時」を指定します。
(ここでの販売期間とは「予約可能期間」を意味します。指定した予約可能期間外では商品が注文不可となってしまうため必ず入力しましょう。)
5.「在庫・納期設定」内にある「在庫タイプ」の項目で、「納期情報の表示」を『入荷次第発送します』『発売日に発送します』などの文言に指定します。
納期情報の文言は、納期情報設定から店舗が作成します。
納期情報の文言を新規登録する方法については、納期情報設定についてまとめた以下の記事をご確認ください。
6.設定が終わったら、画面下部の「登録」ボタンをクリックします。
お届け準備期間を設定する
予約販売の設定には、予約商品の登録だけでなくお届け準備期間の設定も必要です。
お届け準備期間とは「楽天の予約販売とは」でもお話したように、「予約商品の注文をいつから受注管理できるようにするか設定する」ための期間のことです。
お届け準備期間中には予約を受け付けられなくなるため、予約可能期間や発売日を考慮しながら慎重に設定しましょう。
1.RMSの「予約・定期購入・頒布会の設定」画面にアクセスします。
2.「予約・定期購入・頒布会の設定」の項目内にある「お届け準備期間」を、1~14日の範囲で設定します。
3.設定が終わったら、画面下部の「登録する」ボタンをクリックします。
楽天で予約販売を活用するためのポイント
ここからは楽天市場で予約販売を活用するためのポイントを解説します。
クレームやトラブルを回避しながら売上や集客をアップするために、以下3つのポイントを押さえておきましょう。
商品を事前予約するメリットを提供する
予約販売をおこなう際は、商品を事前予約するメリットを提供することで申し込みをより多く集められる可能性があります。
具体的にはポイントやクーポン、同梱物などを予約特典として提供することで、ユーザーに事前予約するメリットを感じてもらうことができるでしょう。
特にポイントや同梱物を効果的に提供できれば、事前予約を獲得できるだけでなく顧客をリピーター化させることにもつながります。
ただしポイント付与に関しては、予約申し込み日ではなく注文確定日の翌日に発生となるため注意が必要です。
またクーポンに関しても、ラ・クーポンは通常商品のみ利用可能で予約商品には利用できません。
ポイント発生やクーポン利用に関してユーザーと認識のズレがあるとクレームにつながってしまうため、予約特典を提供する際も利用条件などは可能な限り明確にしましょう。
細やかな案内でクレームを回避する
「予約販売のメリットとデメリット」で見たように、予約販売にはキャンセルやクレームといったリスクも伴います。
予約販売のクレームはお届け日や対応についてユーザーとの認識のズレが生じることで主に起こってしまうため、細やかな案内で認識をすり合わせてクレームを回避しましょう。
そのためにもまずはキャンセル時の対応や発売延期時の対応について、あらかじめ決めておくことが必要です。
予約販売の対応として事前に決めておく内容としては、以下のようなものがあげられます。
・店舗都合で販売延期や販売中止となった場合の対応はどうするのか
また各対応について決めておくだけでなく、それら予約商品の注意事項をしっかりとユーザーに共有することも重要です。
注意事項を共有するための具体的な方法としては、以下のようなものがあげられます。
・予約商品のキャンセルや発売中止・延期について商品ページに記載しておく
・注文確定日や入荷状況について、フォローメールでお知らせする
このように予約販売をおこなう際は、トラブル時の対応を事前に決めてユーザーと共有しておくことでクレームを最小限に抑えられます。
売上を集中させてランキング獲得を狙う
予約販売は上手く活用することで、楽天のデイリーランキングやリアルタイムランキングの獲得を狙うことも可能です。
楽天のデイリーランキングとリアルタイムランキングはそれぞれ1日前/1時間前の注文確定数をもとに生成されると言われており、予約販売は商品の注文確定を特定の日時に集中させることができるためです。
例えば6月20日に発売する商品を6月15日のデイリーランキングに載せたい場合、お届け準備期間を6日に設定すれば6月14日に注文確定を集中させることができます。
また自動的に注文が確定される前であれば手動で早期に注文確定できる性質を活用すれば、より自由な日時のランキング獲得を狙うことも可能です。
例えば6月20日に発売する商品を6月10日17:00のデイリーランキングに載せたい場合は、6月10日の16:00頃に手動で注文を早期確定します。
なお発売日により近い日時でランキング掲載を狙う場合は、「お届け準備期間」を1日に設定することで注文確定のタイミングを発売日に近づけられます。
ただしお届け準備期間を1日に設定すると、単純に発送準備にかけられる時間が少なくなるため注意しましょう。
手動で早期に注文を確定する方法は? |
予約販売の早期確定は、「購入申込受付」の「申込詳細情報」画面内にある「今回のお届けを早めに注文確定する」ボタンをクリックすることで可能です。
RMSトップ>受注・決済管理>受注管理> 購入申込受付>申込番号をクリック
ただし早期注文確定がおこなえるタイミングは、自動注文確定日の2日前までとなっています。 |
楽天の予約販売に関するよくある質問
最後に楽天の予約販売に関するよくある質問として、以下の3つにお答えします。
予約販売の設定は変更できる?
結論からいうと、価格の変更や発売日の変更など予約販売の設定を変更することは可能です。
発売日の変更に関しては、「予約商品を登録する」で解説した方法で商品情報(予約発売日)を編集することで更新できます。
ただしすでに申し込まれたユーザーの情報は更新されないため、「受注・決済管理」内の購入申込受付機能からお届け日を変更する必要があります。
また価格の変更に関しても規約やガイドライン上の問題はありませんが、ユーザーとのトラブルを防止するための措置は不可欠です。
商品ページやメールで価格改定がおこなわれることを周知し、変更後の価格で注文が確定される前に購入を継続するかどうかの判断を確認しましょう。
発売日以降の商品ページはどうなる?
予約商品の販売ページは、発売日を過ぎると新たに申し込みを受け付けられなくなります。
引き続き販売をおこなう場合は、「予約商品を登録する」で設定した「予約ボタンをつける」のチェックを外し、「注文ボタンをつける」に切り替えましょう。
また「販売期間指定」や「納期情報の表示」などもほかの商品と同じように設定することで、通常商品として引き続き販売できます。
予約販売をキャンセルしたい場合は?
予約販売のキャンセルは、RMSの受注管理画面から以下の手順でおこなえます。
1.RMSの「購入申込受付」画面にアクセスします。
2.キャンセルしたい購入申込の「申込番号」をクリックします。
3.「申込の完全キャンセル」をクリックします。
4.「キャンセル理由」を選択し、「お申込みを完全キャンセル処理する」ボタンをクリックします。
楽天の予約販売:まとめ
今回は楽天での予約販売について、設定方法や活用方法、販売延期・キャンセル時の対応方法などについて解説しました。
上手く活用することで受発注業務を効率化しながら販売のチャンスを拡大できる予約販売ですが、クレームやトラブルといったリスクを回避するためには商品情報を正しく設定するだけでなく対応についてあらかじめ決めておくなど事前準備が必要です。
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太田 薫(おおた かおる)
株式会社ファイブスプリングス 代表取締役
元楽天ECコンサルタント、その後楽天MVP獲得店舗の統括部長。 ■無料相談■ |