2023.05.19
こんにちは、ファイブスプリングスです。
楽天市場では商品情報をCSVファイルでまとめて編集するための「CSV商品一括編集機能」という有料サービスが用意されています。
効率的な商品情報管理により多くのメリットが得られるCSV商品一括編集機能ですが、月額料金も10,000円と決して安くはないため使用すべきかどうか悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は楽天のCSV商品一括編集機能について、機能の概要からメリット・デメリット、具体的な利用方法まで解説します。
楽天の店舗運営で実践できる活用方法もご紹介するため、CSVを使って効率的に店舗を運営したい方はぜひ最後までご覧ください。
【本記事でわかること】
◎CSV商品一括編集機能でできること、利用に必要なもの
◎CSV商品一括編集機能のメリット、デメリット
◎CSV商品一括編集機能の利用方法、活用方法
! | 本記事の内容は、SKU移行前の内容となっています。 SKU移行後のCSV一括編集機能の仕様や使い方については、以下の記事をご確認ください。 |
目次
CSV商品一括編集機能とは
楽天市場のCSV商品一括編集機能とは、楽天市場に出品する商品に関するさまざまな情報をCSVファイル(エクセル)を用いて一括編集できる機能のことです。
月額10,000円(税込11,000円)の利用料金がかかる有料サービスですが、効率的な商品情報管理により日々の作業を軽減できます。
わかりやすい例として、セールの際に全商品を対象に10%の値下げをしたいと考えた場合を想像してみてください。
RMSの商品管理から1商品ずつ手作業で販売価格を設定するとなると膨大な時間がかかってしまいますが、CSV商品一括編集機能を使えば圧倒的に時間を短縮できます。
短縮できた時間を従業員の時給で換算して月額11,000円以上かかっている場合、CSV商品一括編集機能を選択した方がコストも抑えられます。
またCSVで管理することでミスリスクの低減にも繋がるほか、時間短縮によって販売戦略の策定などより重要な業務に注力することもできるでしょう。
このように非常に便利なCSV商品一括編集機能ですが、利用する上で必要なものやデメリットも存在します。
ここまではまず店舗運営者が知っておくべきポイントとして以下3つを押さえておきましょう。
CSV商品一括編集機能でできること
CSV商品一括編集機能では、以下3つのCSVファイルを用いて商品情報の登録や編集をおこなえます。
【item.csv】
新規商品の登録や登録済み商品の情報更新を一括でおこなう際に利用するCSVファイルです。
商品名や商品画像などの基本情報をはじめ、販売価格や販売期間、ポイントや送料区分なども一括で編集できます。
【select.csv】
サイズや色といった選択肢の作成や選択肢ごとの在庫管理を一括でおこなう際に利用するCSVファイルです。
「かごに追加」ボタン付近に表示される、カラーバリエーションや特典、注意書きなどの項目選択肢に関する設定を一括で編集できます。
【item-cat.csv】
カテゴリの登録やカテゴリと商品の紐づけを一括でおこなう際に利用するCSVファイルです。
商品のカテゴリへの登録・削除をはじめ、カテゴリ内での優先順位設定なども一括で編集できます。
これらはRMS上でも編集できますが、RMSでの商品編集が1商品ずつである一方CSVであれば多数の商品を一気に変更することが可能です。
このため特に取り扱い商品が多い店舗ほど得られる効果が大きい機能といえるでしょう。
CSV商品一括編集機能の利用に必要なもの
CSV商品一括編集機能の利用には、以下の3つが必要です。
【月額利用料金】
CSV商品一括編集機能を利用するためには、月額11,000円(税込)の利用料金が必要です。
【CSVファイル編集ソフト】
MicrosoftのExcelやAccessなど、CSVファイルを編集できるソフトが必要です。
店舗運営NaviではAccessが推奨されていますが、Excelでも問題ありません。
【SFTPソフト】
WinSCPやCyberDuckなど、CSVファイルをダウンロード・アップロードするためのSFTPソフトと呼ばれるソフトが必要です。
FFFTPなどのFTPソフトでも可能ですが、SKU移行後はSFTPソフトのみ対応となるためSFTPソフトを用意しましょう。
CSV商品一括編集機能のメリットとデメリット
CSV商品一括編集機能には、主に以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット |
【商品情報を効率的に管理できる】 商品の情報を一括で編集・更新できるため、RMSで個別に商品を更新するよりも大幅に時間と手間を節約できます。 【より重要な業務に注力できる】 【イベントやセールに対応しやすくなる】 |
【月額利用料がかかる】 利用には月額11,000円の利用料がかかるため、商品数が少ない場合や商品情報の編集頻度が少ない場合はコストパフォーマンスが悪い可能性があります。 【操作に慣れが必要】 【商品情報を消してしまうリスクがある】 |
やはり11,000円の月額利用料が最大のネックとなりますが、上記のようにメリットが多いため取り扱い商品数が多かったり商品編集の頻度が多かったりする場合は一度使ってみることをおすすめします。
CSV商品一括編集機能の利用方法
CSV商品一括編集機能を利用するためには、大まかに以下3つのステップが必要です。
【STEP1】RMSから利用申込する
これまでお話してきたとおりCSV商品一括編集機能は月額11,000円の有料サービスであり、利用にあたってはまず以下の手順で申し込みが必要です。
1.RMSの「オプション機能利用申込・解約」で、「CSV商品一括編集」の「申込み・解約」ボタンをクリックします。
2.「申請/利用状況一覧」画面で、「申込みする」をクリックします。
CSV商品一括編集機能の解約方法 |
CSV商品一括編集機能の解約も、申し込み時と同様「申請/利用状況一覧」画面からおこなえます。 解約の場合は「申込みする」の代わりに「解約する」が表示されていますが、当月中に解約したい場合は当月末日の23:00までに解約手続きが必要なため注意しましょう。 |
【STEP2】SFTPソフトを準備・設定する
「CSV商品一括編集機能の利用に必要なもの」でもお話したとおり、各CSVファイルのダウンロード・アップロードにはSFTPソフトが必要です。
楽天のサーバーとファイルの送受信をできるように、SFTPソフトで以下のように項目を入力・選択して接続設定をおこないましょう。
(各項目の入力方法やサーバーへの接続方法については、各SFTPソフトのヘルプを参照してください。)
項目名 | 入力・選択内容 |
転送プロトコル | SFTP |
ホスト名 | 店舗運営Naviの「SFTPソフトの設定方法」に関するページをご確認ください。 (閲覧にはRMSへのログインが必要です。ログイン後上記テキストリンクをクリックしてください。) |
ポート番号 | |
ユーザー名 | 【STEP1】で申し込んだ際の「申込完了画面」で表示されるユーザー名、パスワードを入力します。 |
パスワード |
ユーザー名/パスワードが分からない場合は? |
ユーザー名の確認は、RMSの「SFTP/FTPサーバ用パスワード変更」ページから確認できます。 パスワードが不明な場合も同ページから新しいパスワードを発行しましょう。 RMSトップ>店舗様向け情報・サービス>各種申請・設定変更>SFTP/FTPサーバ用パスワード変更の「設定変更」をクリック
|
【STEP3】CSVファイルを編集する
利用申込とSFTPソフトの接続設定を完了したら、いよいよCSVファイルを編集します。
CSVファイル編集時の具体的な方法や注意点は取り扱うCSVファイルごとに微妙に異なりますが、大まかにいうとダウンロードからアップロードまでの流れは以下のとおりです。
【CSVファイルをダウンロード・編集・アップロードする流れ】
【1】RMSの「CSVファイルダウンロード」画面から、希望のCSVファイルを【STEP2】で接続したサーバーにダウンロードする
【2】RMSからダウンロードしたCSVファイルをSFTPソフトを使ってローカル(自身のパソコン)にダウンロードする
【3】Excelなどを使ってCSVファイルを編集する
【4】SFTPソフトを使ってサーバーにCSVファイルをアップロードする
「CSV商品一括編集機能でできること」でお話した3つのCSVファイルの編集方法については、それぞれ以下の記事で解説しています。
ダウンロードからアップロードまでの流れを画像付きで解説しているほか活用方法や注意点も解説しているため、ぜひあわせてご確認ください。
▼item.csv
▼select.csv
▼item-cat.csv
CSV商品一括編集機能の活用方法
CSV商品一括編集機能の概要や基本的な利用方法を押さえたところで、各CSVファイルの代表的な活用方法についてもご紹介します。
CSV商品一括編集機能は、特に以下のようなシーンで効果的です。
【CSV商品一括編集機能の活用方法】
〉【item.csv】イベント時に商品情報を一括変更する
〉【select.csv】選択肢や注意書きを一括で追加する
〉【item-cat.csv】商品のカテゴリを一括で付け替える
【item.csv】イベント時に商品情報を一括変更する
基本的な商品情報を一括で編集できるitem.csvは、セールイベントやシーズナルイベント時に特に有用です。
例えばお買い物マラソンや楽天スーパーセールなどのセールイベントであれば、商品価格やポイント倍率を一括で変更できます。
またバレンタインデーやクリスマスといったシーズナルイベントであれば、それらのキーワードを一括で商品名に盛り込むことも可能です。
イベント対策の度に商品情報編集に手間がかかっているという場合は、item.csvを活用することで大きなリソースの削減につながるでしょう。
各イベント用のCSVファイルをあらかじめ用意しておけば、イベントごとに通常時とイベント時のファイルを差し替えるだけで商品情報の編集に関してはイベント対策を完了できます。
【select.csv】選択肢や注意書きを一括で追加する
項目選択肢を一括で編集できるselect.csvは、選択肢や注意書きを新設した際に特に有用です。
例えば選択肢であれば、ラッピングサービスを新たに始めた際に包装紙の種類や熨斗(のし)の有無といった選択肢を簡単に複数商品に登録できます。
また注意書きに関しても、「運送会社のご指定はいたしかねます」などの文言を追加したいと思った際に簡単に全商品に追加することが可能です。
選択肢や注意書きを提示する際に項目選択肢を活用している場合は、select.csvを活用することでより効率的にそれらを提示できるようになるでしょう。
もちろん、ファッションなどサイズやカラーのバリエーションを取り扱う機会が多い場合も非常に有効です。
【item-cat.csv】商品のカテゴリを一括で付け替える
カテゴリの登録や紐づけを一括で編集できるitem-cat.csvは、カテゴリを新設や再構築をおこなった際に特に有用です。
例えば取り扱う商品が増えたなどの理由でより細かく商品カテゴリを分けたいと思った際に、簡単に商品の登録カテゴリを付け替えることができます。
より具体的にいえば、飲料を取り扱っている店舗で「ミネラルウォーター」というカテゴリをさらに「国内ミネラルウォーター」と「海外ミネラルウォーター」に分類した場合などです。
取り扱い商品が多く細かいカテゴリ分けが必要な場合は、item-cat.csvを活用することで効率的に商品管理がおこなえるようになるでしょう。
またカテゴリ間での商品の移動が楽になるため、カテゴリの再構築もおこないやすくなります。
CSV商品一括編集機能を利用する際の注意点
最後にCSV商品一括編集機能を利用する際に知っておくべき注意点として、以下の3つも忘れず押さえておきましょう。
必ずバックアップを取る
CSVファイルをダウンロードしたら編集前に必ずバックアップを取るようにしましょう。
CSVファイルでの商品情報編集は一括でおこなえて便利な反面、例えば一行ずつズレてしまうなどして多くのデータが意図しない形で変わってしまうリスクもあります。
誤りに気付いた際にすぐ元に戻せるように、CSVファイルのバックアップを取ってから作業することをおすすめします。
情報の反映には時間がかかる
アップロードされたCSVファイルは順次処理される仕組みのため、状況に応じて反映に時間がかかる場合があります。
大型セールなど申請が集中する期間は特に時間がかかるため、申請が集中することが予想できる期間についてはなるべく余裕を持ってアップロードしましょう。
余裕を持ってアップロードすることで、「セール終了後通常価格に戻したつもりがセール価格でしばらく販売していた」といった事態などを避けることができます。
ファイルに間違いがあるとエラーになる
非常に便利なCSV商品一括編集機能ですが、CSVファイルは正しく編集しないとエラーが出て正常にアップロードできないため注意が必要です。
CSVファイルには最低限入力しなければならない項目やファイル名・文字コードの制限など、編集上で守らなければならないルールが少なくありません。
これらを把握できていないとエラー解消に手間取りむしろ非効率になってしまうため注意しましょう。
各CSVファイルの注意点については、それぞれ以下のページで解説しています。
▼item.csv
▼select.csv
▼item-cat.csv
CSV商品一括編集機能:まとめ
今回は楽天のCSV商品一括編集機能について、機能の概要からメリット・デメリット、具体的な利用方法まで解説しました。
商品情報の編集作業を圧倒的に効率化できるCSV商品一括編集機能ですが、効果的に運用するためにはCSV編集ソフトやSFTPソフトをスムーズに利用するスキルや知識が求められます。
ファイブスプリングスでは今回ご紹介した商品情報の編集・管理代行のほか、分析~戦略立案~実行まで一貫してサポートするコンサルティングサービスをご提供しています。
「CSVファイルを使って商品管理を効率化したい」「商品管理の代行を任せたい」という方は、ぜひ一度お問い合わせページからお気軽にご相談ください。
太田 薫(おおた かおる)
株式会社ファイブスプリングス 代表取締役
元楽天ECコンサルタント、その後楽天MVP獲得店舗の統括部長。 ■無料相談■ |