2022.09.01
こんにちは、ファイブスプリングスです。
楽天での出店を検討しているものの、「出店費用がどれくらい必要かわからない」「どの出店プランを選ぶべきかわからない」とお悩みの方も少なくないのではないでしょうか。
楽天は3つの出店プランによって必要な費用が異なってくるため、目的や売上高に応じて最適な出店プランを選ぶことが重要です。
そこで今回は楽天の出店費用について、3つのプランの特徴や選び方をはじめ、必要な初期費用や月額費用まで詳しく解説します。
「これくらいの月商ならこれくらいの月額コストがかかる」といった具体的な費用感シミュレーションも公開するため、楽天の出店費用についてしっかりと把握したい方はぜひ最後までご覧ください。
【本記事でわかること】
◎楽天の3つの出店プランの特徴や選び方
◎楽天出店にかかる具体的な初期費用と月額費用
◎目標月商・プラン別でのコストシミュレーション
目次
まずは3つの出店プランをチェック
楽天出店の費用について考える際は、まず楽天の出店プランを理解することが重要です。
楽天では以下3つの出店プランが用意されていますが、プランによって出店料や手数料が異なるためです。
【引用】楽天 出店案内 運営スタイルに合わせて選べる出店プラン
各プランの詳細についてはこれから解説しますが、ぜひ「自社に合ったプランはどれか」を考えながら読み進めてみてください。
出店プランの選び方やおすすめの出店プランについては、後ほど「おすすめの出店プランは?」で詳しく解説します。
がんばれ!プラン
がんばれ!プランは、これから楽天市場への出店を検討している方を対象としたプランです。
月額出店料が19,500円と固定費を抑えられるメリットがありますが、一方でシステム利用料が月間売上高の3.5~7.0%と売上に対してかかる変動費が割高になるといったデメリットがあります。
また登録可能商品数は5,000商品まで、画像容量は500MBまでとなっており、商品の掲載数や伝えられる情報量が他のプランと比べると限定的である点にも注意が必要です。
これらの特徴からがんばれ!プランは、固定費を抑えながらスモールスタートを切りたい方におすすめのプランといえます。
スタンダードプラン
スタンダードプランは、3つの出店プランの中で最もコストとメリットのバランスがとれているプランです。
月額出店料が50,000円とがんばれ!プランに比べると約2.5倍の固定費がかかりますが、システム利用料は月間売上高の2.0~4.5%と変動費は割安に設定されています。
また登録可能商品数は20,000商品まで、画像容量は5GBまでとなっており、「登録上限で出品できない」「画像が使えず商品の魅力が伝えきれない」といった心配もなくなるでしょう。
これらの特徴からスタンダードプランは、楽天市場でのEC事業展開を本格的に検討している方におすすめのプランといえます。
メガショッププラン
メガショッププランは、多数の商品掲載や画像掲載をおこないたい方を対象とした最上位のプランです。
月額出店料は100,000円と固定費が3つのプラン中最も高いですが、スタンダードプラン同様システム手数料が2.0~4.5%と変動費が割安に設定されています。
また何といっても登録可能商品数と画像容量が無制限のため、商品や商品ページの画像を好きなだけ掲載できる点が最大のメリットです。
これらの特徴からメガショッププランは、多数の商品を出品して楽天市場での大規模なEC事業展開を検討している方におすすめのプランといえます。
【月商別】各出店プランの費用感比較
楽天の出店プランについて理解したところで、各出店プランの費用感を大まかに確認しておきましょう。
ここでは楽天公式の月間費用シミュレーションを用いて、目標月商・プラン別での月額費用試算結果をお見せします。
また月額費用は、楽天公式シミュレーション結果に月額出店料を加算した費用を記載しています。
(その他設定条件は楽天公式シミュレーションに準ずる)
先ほど「がんばれ!プランは固定費が安い」とお話しましたが、表を見るとわかる通り目標月商が100万円の時点でスタンダードプランと6,000円の差しかなく、300万円以上ではがんばれ!プランがどんどん割高になっていきます。
より厳密にいうと、月商約140万円が「がんばれ!プランよりもスタンダードプランがオトクになる損益分岐点」となっています。
このように楽天出店では売上高に応じて必要なコストが大きくなっていくため、コストを最低限に抑えて利益率を高められるよう月商に合った出店プランを選ぶことが重要です。
楽天出店にかかる初期費用
ここからは楽天出店にかかる費用について、一つずつ詳しく解説します。
まずは初期費用からお話しますが、楽天出店にかかるイニシャルコストは以下のように計算できます。
【楽天出店にかかる初期費用】
初期費用 = 初期登録費用 + 初回出店料
初期登録費用はどのプランでも60,000円ですが、半年分または一年分の月額出店料を一括で支払う初回出店料はプランによって異なります。
各プランでかかる初期費用は、以下のとおりです。
表からもわかるように最安のがんばれ!プランでも30万円程度の初期費用が必要なため、楽天出店にはある程度まとまった初期費用が必要であると認識しておきましょう。
楽天出店にかかる月額費用
次にランニングコストについてお話します。
楽天出店には月額出店料をはじめとして、以下のようにさまざまな月額費用が必要です。
月商や出店プランにもよりますが、おおよそ売上に対して10%前後が月額費用として必要であると認識しておきましょう。
月額出店料
月額出店料は、楽天市場に出店するために毎月必ず固定でかかる費用です。
これまで見てきたように出店プランごとに月額費用が異なるほか、支払い方法もプランによって「年間一括払い」か「半年ごとの2回分割払い」かで異なります。
システム利用料
システム利用料は楽天での月間売上高に対して発生する、いわゆる売上ロイヤリティです。
月間売上高に対してプランごとに設定された適用料率をかけた料金が、毎月請求されます。
なお料率は、以下3つの要素によって変動します。
【システム利用料の適用料率を決める要因】(カッコ内の例はスタンダードプランの場合)
1.売上の経路
(パソコン経由なら2.0~4.0%、モバイル経由なら2.5~4.5%など)
2.平均バスケット単価(平均注文単価)
(平均バスケット単価が7,000円以下なら2.4~3.0%、5万円以上なら2.0~2.4%など)
3.売上高
(100万円までの売上に対しては4.0%、200万円までの売上に対しては2.8%、300万円までの売上に対しては2.6%など)
このようにシステム利用料の算出は非常に分かりづらくなっていますが、ここではスタンダードプラン・メガショッププランの料率が低く平均注文単価が高いほど割安になるということを覚えておきましょう。
システムサービス利用料
システムサービス利用料は楽天の各システム・サービスを利用するために必要な費用で、以下の3つが含まれます。
楽天ポイント原資
楽天ポイントの原資として、楽天会員による購入代金(税抜)の1.0%を負担する必要があります。
例えば楽天会員によって10,000円(税抜)の商品が購入された場合、100円を楽天ポイント原資として支払わなければなりません。
なおポイントが10倍になるキャンペーンなどで楽天ポイントが10%になっている場合も、店舗負担は1%で残りの9%は楽天が負担することとなっています。
安全性・利便性向上のシステム利用料
システム開発や環境整備のために、月間売上高の0.1%を負担する必要があります。
例えば月間売上高が500万円の場合、5,000円を安全性・利便性向上のシステム利用料として支払わなければなりません。
アフィリエイト利用料
アフィリエイト経由での売上については、以下のように「アフィリエイターへの成果報酬」と「楽天へのアフィリエイト利用料」を支払う必要があります。
(※アフィリエイターへの成果報酬も楽天を経由して支払います。)
・アフィリエイターへの成果報酬
アフィリエイト経由の売上 × アフィリエイト料率(商品ジャンルに応じて2.0~4.0%)
・楽天へのアフィリエイト利用料
成果報酬額 × 適用料率(成果報酬額に応じて15~30%)
例)アフィリエイト経由で10,000円のアクセサリーが売れた場合
アフィリエイターへの成果報酬…10,000円 × 4.0%= 400円
楽天へのアフィリエイト利用料…400円 × 30% = 120円
アフィリエイト利用料の料率について詳しく知りたい方は、楽天の月額課金システムに関するページをご確認ください。
R-Messe利用料
R-Messe利用料は、店舗と楽天ユーザーのメッセージツールであるR-Messe(アールメッセ)の利用にかかる料金です。
出店プラン別で3,000円または5,000円の月額固定費が設定されていますが、現在は終了時期未定で無料となっています。
楽天ペイ利用料
楽天ペイ利用料は、楽天による決済処理代行サービスに対してかかる費用です。
平均決済単価と月間決済高によって利用料は変動しますが、月間決済高の2.5~3.5%を負担する必要があります。
【引用】楽天 出店案内 サービス・料金詳細
オプション利用料
楽天出店をサポートするオプションサービスを利用する際には、以下のようにオプションサービスごとに追加料金がかかります。
【オプション利用料の例】
・R-SNS:月額固定費3,000円
LINEやInstagram、FacebookなどのSNS活用をサポートするサービス。
・R-Mail:1通あたり1円
楽天ユーザーにメールマガジンを配信するサービス。
※R-Mailについては以下の記事でメルマガの作成方法や運用のコツなど詳しく解説しているため、R-Mail導入を検討されている方や効果的に運用したい方はぜひあわせてご覧ください。
楽天出店の費用に関するよくある質問
最後に楽天出店の費用に関するよくある質問として、以下の4つにお答えします。
おすすめの出店プランは?
楽天の出店プランの中では、最もコストパフォーマンスに優れる「スタンダードプラン」がおすすめです。
月商が約140万円を超えると各プラン中で最もシステム利用料が割安になるほか、登録可能商品数や画像容量も申し分ないため多くの商品を魅力的な商品ページで販売できます。
このため月商140万円以上が視野に入る場合は、はじめからスタンダードプランで出店することをおすすめします。
【初めてのECでも月商140万円は超えるもの?】
弊社のお客様で出店半年で月商300万円を達成されたケースもあるため、初めてのECでも月商140万円は十分に可能性がある範囲内です。
以下のページで月商300万円達成までのサポート内容について記載しているため、楽天出店の成功事例としてもぜひあわせてご覧ください。
途中で出店プランは変更できる?
楽天の出店プランは、契約期間が満了するまでプラン変更できません。
各プランの契約期間である1年間はプラン変更不可であり、期間満了の1か月前までに変更申請をする必要があることを知っておきましょう。
ただし出店2年目からは半年ごとのプラン変更が可能なほか、出店審査中や申込書類の提出前の場合もプラン変更が可能です。
楽天出店にかかる時間は?
楽天で出店する流れは、大まかに以下のとおりです。
【楽天出店の流れ】
1.出店申込とRMSのアカウント開設(2週間~1ヶ月)
Webから社名や代表者名の記入、必要に応じて公的書類の提出などをおこない、出店を申し込みます。
手続きが完了すると楽天の店舗運営システムであるRMSのアカウントが開設されます。
2.開店準備と開店前審査(2週間~1ヶ月)
RMSを使用して実際に店舗ページを作成し、決済や配送の設定などもおこないます。
開店準備ができたら開店前のオープン審査を受けます。
3.楽天店舗のオープンと運営
開店前審査に通過したら、いよいよ楽天市場に店舗がオープンします。
このように書類提出や店舗ページの作成、各種審査などがあるため、楽天の出店には2カ月程度必要と考えておきましょう。
楽天の手数料は他のモールと比較して高い?
楽天の手数料は、AmazonやYahoo!ショッピングなど他のモールと比べると高いといえます。
AmazonやYahoo!ショッピングにも売上に応じてかかる手数料はあるものの、初期費用や固定でかかる月額費用が無料~となっていることを考えると楽天の手数料は高いと言わざるを得ないでしょう。
ただし一方で、楽天にはECモールの中でも圧倒的な集客力や販促力、市場規模があることも忘れてはいけません。
国内EC流通総額、利用者数ともにECモール最高・最多であるほか、お買い物マラソンや楽天スーパーSALEなど強力な販促キャンペーンが頻繁に開催されます。
楽天の手数料はたしかに他のモールと比べると高いですが、本格的にEC事業を展開したいのであればコストに見合ったメリットは得られるといえます。
楽天出店の費用:まとめ
今回は楽天の出店費用について、3つのプランの特徴や選び方をはじめ、必要な初期費用や月額費用まで詳しく解説しました。
出店プランによって必要な初期費用と月額費用が変わる楽天の出店費用ですが、コストを最小限に抑えつつ利益を最大化できる最適な出店プランを選ぶためには各手数料に対する深い理解と正確な売上予測が必要です。
ファイブスプリングスでは売上利益計画策定などのコンサルティングサービスから店舗・商品ページの制作代行まで、楽天出店をトータルサポートするサービスをご提供しています。
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太田 薫(おおた かおる)
株式会社ファイブスプリングス 代表取締役
元楽天ECコンサルタント、その後楽天MVP獲得店舗の統括部長。 ■無料相談■ |